細かい節約ルールにイライラして気分が荒むのは本末転倒
テレビの節約番組でこんなシーンをよく見ます。
冷蔵庫は10秒以上開けない。
トイレに行くときなど、部屋の照明はいちいち消す。
使っていない電化製品のプラグはこまめに抜く。
たしかにこうして節電すれば、電気代が毎月100円くらい安くなるかもしれません。
しかし一方で、パソコンやエアコンは15分ほど部屋から離れるくらいであれば、つけっぱなしのほうが、電気代は安上がりになるとも言われます。もちろん後者は個々の事例で差があるのでしょう。
しかし、そうなると、パソコンやエアコンを使っている部屋からトイレに行くときには、照明は消してもエアコンやパソコンはつけたまま、ということになります。
何をどうすればいいのか、覚えるのが大変ですね。
親が、子どもに「電気を消せ」と注意するのは、ものを大切にするという、しつけではあっても、電気代は節約にならないとわかっておきたいものです。
とくに子どもが言うことを聞かないのに、イライラして200円のチューハイを1杯よけいに飲んだら、経済的には損しています。
私の方針は違います。
電気代とは、頭を使って減らすもので、心を消耗して節約するものではないと思うのです。
電気代で考えたいことは、3つ。
・省エネ性能の高い電気製品を正しく使っているか。
・正しい契約をしているか。
・賢い支払い方法を選択しているか。
この3点です。
最初の省エネ性能でとくにこだわりたいのは、エアコンと冷蔵庫です。
LEDが出てきたので白熱灯、蛍光灯などの照明器具も気になります。
さらに、洗濯機で温風や温熱を使 って完全に乾燥させてしまうものも、電気代に差が出ます。
これらは同じ性能でも、10年以上たった省エネ性能の非効率なものを使っていると、電気代がバカになりません。
エアコンも年に数回しか使わない部屋のものはまだしも、頻繁に使う部屋のものは、購入して7年くらいたっているのであれば、新製品の消費電力を調べて、買い替えのタイミングを考えましょう。
家電の購入に関しては次回お話ししますが、夏が来て暑いので買い替えようというのは避けたいもの。 とくに猛暑の夏は、エアコン需要も高く、品薄状態となり、値段は下がらない、取り付け業者の工賃も強気で、オススメできません。
むしろ天気予報の長期予報が外れた冷夏でエアコンが売れないときこそ、買いどきなのです。
夏が過ぎたあとでもお買い得商品が出てきたら、買い替えのチャンスかもしれません。
とくに購入後、10年以上経過しているエアコンなどは、1シーズンの電気代も無視できないほど割高です。
そして、省エネの商品に買い替えたあとも、買い替え前でもエアコンを最大限に効率よく使う工夫をしたいものです。
たとえば断熱効果の悪い部屋をそのまま放っておいては、せっかくの機能も台無しです。
エアコンは設定温度まで下げていく最初の1時間と、室温が安定したあとの電気代が、何倍も違うことが多いからです。
また、扇風機を回せば、体感温度が2度違うことも、覚えておきたいポイントです。
いま一度、住まいの断熱効果を見直しましょう
本格的にリフォームをしてもらう方法もありますが、まずは、自分で断熱性の高い部屋に変えていく工夫をしたいもの。
たとえば、南向きのマンションのベランダに面した部屋などで、大きな窓のカーテンを開けっ放しにしておいては、断熱効果は大きく損なわれます。
窓にはカーテンを下げる。
カーテンは厚みのある素材で、光を通しにくいものが断熱効果が高いです。
また、カーテンを二重にすることも、断熱効果を高めます。
二重というと、外側はレースのカーテンを想像しがちですが、最近では、レースのカーテンと厚みのあるドレープカーテンの中間的なケースメントカーテンが人気です。
また、床にカーペットを敷くのも、断熱効果を高めてくれます。
冷蔵庫は、次の買い替えのときはひと回り大きいものを考えましょう。
大型の冷蔵庫は食費をコントロールするのに有用ですし、消費電力量も、むしろ300リットル前後の冷蔵庫がいちばん高く、大型のほうが電気代が安くなることもあるのです。
付け加えて、照明器具も少しずつLED照明に替えていきたいものです。
また、洗濯機も乾燥機能のついているものは、消費電力も高いので、注意しましょう。
ところで、よく待機電力をカットしようとテレビ、ビデオなどいろんなものをコンセントから抜いたり、スイッチ式のOAタップにする家庭があります。
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