オフィスハック

会社の愚痴を呟いたことがある奴は全員読め

本日4月19日発売の『オフィスハック』。著者はシリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームの本兌有さん・杉ライカさん、イラストはオノ・ナツメさん描き下ろし。「スーツバディが、ワルい社員どもをブッ殺す」という前代未聞の世界観が話題を呼び、発売前からTwitterトレンド入りするなど、今年最注目の小説は、いかにして生まれたのか。担当編集が根掘り葉掘り聞いてみました。(取材構成/幻冬舎編集部)

なぜ”刑事モノ”じゃなかったか


—『オフィスハック』の初案プロットをいただいたのが2016年12月。そのときのキーワードが「トランプ(大統領)」「自衛隊」「ミリタリー」「西部劇的要素」かつ「読み口は重々しくならないように」でした。ここからどう「社内スパイ」に発想がいきついたのでしょう。

本兌有(以下、本兌) 最初は自衛官にしようか、刑事にしようかみたいな感じで。そこから何でサラリーマンに舵を切ったんだっけ?

杉ライカ(以下、杉) バディものは確定で、かつスーツを着ているほうがいいよねというところぐらいまでは決まっていたんです。そうすると絞られていって、刑事か、あとは内調(内閣情報調査室)、あとはいわゆるスパイになるんだけど。


↑左から本兌有さん、杉ライカさん

 で、なぜそれをやらないでサラリーマンにしたかというと、まず刑事ものというと、もうかなりやり尽くされていて世の中にいっぱいあるわけだから。その中で刑事ものをやるには、たぶん全部リアルにいかないと難しいな、と思ったんですよね。いくらかフィクションを交えたいと思うと、たぶんスパイとかになるんだろうなという話を本兌としていて。でも、日本で今スパイって出来るか? という話が出て。要は、日本で『007』『キングスマン』みたいなスーツのスパイアクションをやれるといいなというスタートなんですが、日本で今そのままスパイをやろうとすると、妙に官僚的だったり、喫煙所、ブラインドの窓、みたいな雰囲気になる。

本兌 公安とかになる。それに刑事とかだと、どうしても昭和のイメージが出ちゃって、ちょっと合わないかなと。で、ちょうど、我々がTwitterとかをやっていることもあって、リアルタイムの時事問題とかが絡められると面白いんじゃないのという話をしたんですよね。

 せっかくリアルタイムでやるわけだから、現代世界とどこかつながっている、今の読者と同じような立場の人たちがキャラクターとしていると、現実世界と同じ事件が起こっていると親近感が湧くんじゃないかと。

本兌 ちゃんとトランプが出て来たりするのはいいなと思って。ちょうど選挙で、トランプが勝つと思っていなくて、リアルタイムで見ていたのがあって。

2016年米大統領選(写真/iStock/Bonilla1879)
↑2016年米大統領選(写真・iStock/Bonilla1879)

— そうでしたね、大統領選で青と赤がせめぎ合って……。

杉 そう。2016年の時点の原稿では、ミサイルうんぬんの代わりに米大統領選を使ってました。トランプかヒラリーか? みたいな感じで……。当時、トランプが当選したら世界は終わりだ、みたいな雰囲気でしたよね。で、主人公がスマホ見ながら、あの赤と青のマス取りゲームで「やばい、ちょっとこれ、トランプが勝つんじゃないか」みたいにビビるというのを書いたんだけど、最終的に連載が開始したのが2017年になったので、時事ネタは選挙からミサイルに変えました。それでなんでサラリーマンにいったのかという話ですけど。

本兌 これは幻冬舎plusの読者層的にも、警察よりは、自分たちと同じような立場の人を出したほうが、つまり、サラリーマンでバリバリ働いていて、という人が日々抱えている「なんかもう面倒くせえな」みたいな感情とか、そういうのをうまく落とし込んで代弁できたら面白いんじゃないかという。

 刑事かスパイだと、どうも想像するシーズンのクライマックスの絵がうまくハネないというか。例えば原発なり、国会なり、そういう派手な場所で、敵のボスと銃を突きつけ合って、ヘリが飛んでいてみたいなスペクタクルな絵ばかり我々の中で浮かんでしまって……。どうも決まりきっていて面白くないなぁと思って。

 じゃあ、最初から限定した空間を作ってみたらどうかと。その世界のルールを作っちゃった方が、たぶんやりやすいだろうな、というのがまずあって。あとは個人的に、机がいっぱい並んでいるオフィス空間で、銃を撃ちまくるにはどうすればいいんだろうという……撮りたいシーンから逆算する的なのがありましたね。

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本兌 有,杉 ライカ,オノ・ナツメ
幻冬舎
2018-04-19

この連載について

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これぞ日本版キングスマン/会社あるあるが笑える/スカッとする!/早く映像化して! などTwitterで話題のスパイアクション小説『オフィスハック』(著:本兌有・杉ライカ、画:オノ・ナツメ)をリバイバル連載!(あらすじ)「ウチの不祥事が...もっと読む

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コメント

dhtls 🐙オフィスハック読んだ方はぜひ、このインタビューも合わせて読んでみてください💫 8ヶ月前 replyretweetfavorite

deathrasher_eco 「著者はシリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームの本兌有さん・杉ライカさん」ってほんやくって建前はどうした > 8ヶ月前 replyretweetfavorite

camelletgo |ダイハードテイルズ|オフィスハック|cakes https://t.co/tEq3f3CIv1 本兌有&杉ライカタッグによる『 8ヶ月前 replyretweetfavorite

Castella_34 これちょっと気になるから欲しい本リストに入れとこ、イラスト@オノ・ナツメだし 8ヶ月前 replyretweetfavorite