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AVを観たら心配になった。
私は、女で、女が好きだ。おっぱいの大きな女優さんが、かわいいランジェリーを着て、きもちいいことを楽しんでいるのを見ると、「とってもいいわねえ^^」と思う。なので先日、AVを買った。働いて稼いだお金を使ってAVを買った。おっぱいの大きな女優さんが、かわいいランジェリーを着ているパケ写だった。が。
中身が、やばかった。
まず女優さんが男優さんをマッサージし始める。女優さんはマッサージ師、男優さんはお客という設定である。お客は突然、マッサージ師のお尻をつかむ。「あんっやめてください」「俺は客だぞ」。そんなやりとりがあって、女優さん扮するマッサージ師さんはどんどん脱がされていく。「店でこんないやらしいことしているってバレたらお前はクビになるぞ」。
私は思った。
「バラされて困るのは、バラされて恥ずかしいのは、客、ただただお前のほうなのでは……?」
マジで理解できなかった。ぽかーん、って感じだった。いやもちろん、あれをあくまでファンタジー、フィクションとして消費する人が大半だということはわかる。それにしても。視聴中、あのストーリーにこのツッコミを入れるでもなく興奮できる人がどうも現代日本に実在するらしい、ということを思うと、ほんと、異星人の奇祭を収録したドキュメンタリーを見た気分になった。私も現代日本人のはずなんだけれど。
日本のポルノ作品には、抵抗できない女性、という表象がめっちゃ登場するなぁと思う。封じられ方は様々だ。立場の差。数の暴力。借金のカタ。腕力差。酒。薬。物理的拘束。性的に無知であること。女性は性のことを恥じらうはずだという前提。図書館では静かにしましょうというルール。時間を止めるボタンを手に入れた男性主人公……。
いったいなんでなんだろうなあ、って、考えに考えていて思い出したのが高田純次氏のエッセイだった。テキトー男こと高田純次氏のエッセイが私は好きでわりと読んでいるんだけれど、中でも印象に残っているのが「女の子をやっつける」という表現だ。
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