基準づくりでストレスフリーな掃除を目指す
長年、病院や介護施設の清掃に携わるなかで、私がもっともこだわってきたことがあります。それは、「どこまでやったらいいのか?」という基準をつくることです。
どこの現場でも、複数名いる清掃スタッフの能力に個人差が出てしまうのは仕方のないことです。それをカバーして、常に一定の質の清掃サービスを提供するために、これは非常に重要なものでした。
実はこの「基準づくり」は、家庭の掃除においても役立てることができます。きれいな部屋を保つための基本は、毎日少しでもよいので、汚れが溜まった場所から汚れを取り去っていくことです。
しかし、忙しい日々が続くと掃除に手が回らず、日一日と、部屋の隅に溜まっていく汚れを見て見ぬふりをしながら悶々とやり過ごしてしまったり、逆にどんなに忙しくても一通りきれいにしなければ気がすまず、イライラしながら時間をかけて掃除をこなしてしまったり……。
これでは、ストレスになるばかりで、掃除をするのが嫌になってしまいますね。
そこで、前回の「汚れの色」でもお話ししましたとおり、自分のなかで「ここまでやればOK」という、病気になりにくい部屋が保たれる範囲で一番低い基準をつくり、そこをクリアしていくようにするのです。そうすることで、部屋の衛生面だけでなく、精神衛生的にも常にいい状態で、必要な掃除をルーティン化することができます。
集めたホコリの量で掃除の成果を実感する
どこまでやるかの基準、つまり「掃除のゴール」は、何を目安にするかがポイントです。
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