河邉徹
虎ノ門ヒルズからを見下ろす東京の夜景
【理想の夢④】
今や名実ともに成功を収め、様々な業界から声がかかるようになった。その為、社長ともなれば、その業界の人々と食事をするのも仕事となっていた。そんな中でも、一番信頼しているのは、やはり設立の時からずっと自分を支えてきてくれた二人だった
<WEAVERの河邊徹がドラムスティックからペンに持ち替えて描いた作家デビュー作!>

イラスト:堀越ジェシーありさ
2018年5月23日、 WEAVER 河邉 徹、小説家デビュー作『夢工場ラムレス』発売決定!
発売に先駆けてWEAVERの杉本 雄治が手掛けたテーマ曲とともに 『夢工場ラムレス』の世界を映像化!
「おお加藤、やっぱりここにいたか」
橋本がオフィスに入って来た。僅かに頬を紅潮させている。今日はみんな、相当飲んでいるようだ。
「どうしたんですか?」
「姿が見えないから探してたんだ。何してるんだ?」
「なんとなく、景色を眺めてました」
それを聞いて、橋本は笑った。
「俺も同じことをしたい気分だった」
そう言って加藤の隣に腰かけてきた。十秒くらいだろうか、二人は静かに夜景を眺めた。
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この連載について
河邉徹
WEAVERのドラマー・河邊徹の作家デビュー作。バンドで作詞を担当してきた河邊の
〝言葉の世界〟をドラムスティックからペンに持ち替え、描いた「夢」をテーマにした長編作。
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著者プロフィール
1988年6月28日、兵庫県生まれ。関西学院大学 文学部 文化歴史学科 哲学倫理学専修 卒。ピアノ、ドラム、エレクトリック・ベースの3ピースバンド・WEAVERのドラマーとして2009年10月メジャーデビュー。バンドでは作詞を担当。
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https://www.asmart.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shopid=0&cat=100124400&pid=10016287