捨てきれない地上波テレビ局のプライド

【理想の夢③】
時代の流れもあり、急成長していく「ネオTV」。そんな中でもテレビ業界の人間はまだ上から目線だった。しかし四年目には、タレントやスポーツ選手、アナウンサーやミュージシャンを集め、盛大なパーティーを催すようになっていた……
<WEAVERの河邊徹がドラムスティックからペンに持ち替えて描いた作家デビュー作!>


イラスト:堀越ジェシーありさ

 どのような番組を配信していくかの検討は、引き続き行われた。ネオTVでは、オリジナル番組だけでなく、衛星放送の番組やミュージックビデオを流すチャンネルを作ることも目標とした。
 その為には、各方面の関係者の協力が不可欠となる。加藤はこれまでに構築してきた人脈の全てを使い、あらゆる企業を駆けずり回った。

 最初は、「ネットTVねぇ、みんなそういうことしようと思うんだよね」とあしらわれることも多かった。それでも社長という肩書を持つ加藤自らが何度も足を運び、一人ずつ協力者を獲得していった。

 衛星放送やミュージックビデオチャンネルの権利を取得するには、もちろん莫大な資金が必要だ。しかし、それ目的の人々によりアプリのダウンロード数が増え、視聴数も増えれば、長い目で見ればこちらの得になる。

 視聴者の数を増やすには、人の習慣に影響するレベルのものでなくてはならない、と加藤は考える。朝起きてカーテンを開けるように、夜寝る前に歯を磨くように、スマホを手にした時にネオTVをつけるようになればいい。

 その為には、小さな画面の中でも、いつでも目を惹くような面白いものにする必要があった。

 サービスが開始された一年目は、ほぼ利益は出なかった。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
夢工場ラムレス

河邉徹

WEAVERのドラマー・河邊徹の作家デビュー作。バンドで作詞を担当してきた河邊の 〝言葉の世界〟をドラムスティックからペンに持ち替え、描いた「夢」をテーマにした長編作。 ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません