松宮宏
金輪際連絡しないで。私たち、別れるのよ!
【小説の展開】オリンピックアスリートとはいえ若い女子、浮ついた話もある。いや、だめだ。もっと上手くなりたい。オトコは要らない。アンには面倒くさい元カレを無視しながら練習。そして、ロサンゼルスへ旅立つ日が来た。
*主人公の無瓢 庵(ムヒョウ アン)。背番号99。23歳。アスリート&中華料理のシェフ見習い。実際の女子アイスホッケー代表チーム「スマイルジャパン」に架空のアスリート、アンが参加して物語は進みます。
38.金輪際連絡しないで。私たち、別れるのよ!
精いっぱい女ヒョウになった後はどっと疲れが来る。
そしてさらに疲れることが私にはある。夜ごとかかってくるフィルからの電話だ。練習を終えてシャワーを浴び、みんなで軽く食事を終えるのがだいたい深夜0時。次の日に備えての睡眠もたいへん重要なのだが、そんな時に電話だ。選手の中には彼氏からの電話を待ちわびる女子もいたが、私には単に迷惑でしかなかった。
それで遂に、話すことにした。
私は言った。
「もう電話しないで」
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
人気の連載
-
林伸次
-
フェルディナント・ヤマグチ
-
May_Roma
20518
false
この連載について
松宮宏
「スマイルジャパン」に架空の選手「アン」を加えて進む小説。アメリカでアイスホッケーに出会った「アン」はジュニアを経て全米大学選手権で活躍する。日本代表はアンを帰国させるがソチは全敗、アンが所属する事になった社会人チームもリンク閉鎖の危...もっと読む
著者プロフィール
著作「秘剣こいわらい」「くすぶり亦蔵」「はるよこい」「さくらんぼ同盟」「まぼろしのパン屋」「さすらいのマイナンバー」「まぼろしのお好み焼きソース」そして「スマイル」