イラスト:堀越ジェシーありさ
目が覚めるのと同時に、頬に涙が伝っていることに気がついた。
夢が、夢であったことが、こんなに切ないなんて思ったことなかった。
おばあちゃん。ちゃんと謝れた。気持ちを伝えられた。
自分はただ都合のいい夢を見ていただけだろうか。都合のいい、長い夢を。おばあちゃんの気持ちも、おじいちゃんの話も。そして。
——手鏡。
麻美は跳ねるように起き上がった。
〈夢が現実に影響されてできるように、現実も夢に影響されています〉
同時に、管理人に言われた言葉が頭に浮かび上がった。