おばあちゃんが言っていた夢の中にある扉

【過去の夢⑧】
家に帰り、職場での出来事に悶々としながら、「もし夢工場があるなら行きたいな」と、昔、おばあちゃんから聞いた話を思い出していた。そのまま、ウトウトと眠りについてしまったようだ。次の瞬間、目を開けるとそこは実家の自分の部屋だった……
<WEAVERの河邊徹がドラムスティックからペンに持ち替えて描いた作家デビュー作!>


イラスト:堀越ジェシーありさ



 麻美はその夜、家に帰っても職場のことを引きずったままだった。いつもなら林田から直接電話が来てもおかしくない。電話が鳴らないことで、逆に事が重大なのではという気持ちになる。
 いつも他人には理解できない尺度で、人を怒ったり褒めたりする人だ。メイクの腕がいいのはわかるが、人の上に立つ者としてはかなりの欠陥があるように思う。だいたい、占いでお店の進む道を決めないで欲しい。

 一通り心の中で愚痴をこぼしたところで、ベッドの上で目を閉じると、またアキコのことを思い出していた。

 —夢工場。

 問い合わせ先は知らないが、やっぱり気になる。

 昔アキコが話してくれたストーリーを、ぼんやりと思い出した。

 本当にあるのかな。もし本当に存在するなら、行ってみたい。こんなことを想像すること自体、小学生の頃の自分と全く変わってなくて、麻美は少し可笑しくなった。

 でも、今は会いたい人がいる。たくさんのお話を教えてくれた、おばあちゃんに会いたい。

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夢工場ラムレス

河邉徹

WEAVERのドラマー・河邊徹の作家デビュー作。バンドで作詞を担当してきた河邊の 〝言葉の世界〟をドラムスティックからペンに持ち替え、描いた「夢」をテーマにした長編作。 ...もっと読む

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kwb_wvr 第2章、ついに彼女も夢の中にある不思議な扉を見つけます。 その先にあるのはもちろん…   https://t.co/BfvZKgH3Lk #夢工場ラムレス #WEAVER #小説 2年以上前 replyretweetfavorite