前回、私が離乳食を手作りしない理由について書いたけれど、そもそも「離乳食を食べてもらえない」という子育てママの定番の悩みについて、ずっと思っていたことがあった。
「まずいからではないのか」と。
SNSで「今日も食べてもらえなかった」という投稿を見かけるたびに「だってまずそうだもん…!」と思っていた。
私は一ヶ月半前から息子に市販のベビーフードをあげているけれど、今のところ、息子に離乳食を拒絶されたことは一度もなく、毎日バクバクと食べてもらえている。
美味しければ、食べる
唯一、食いつきが良くなかったのは無味のおかゆ(市販のベビーフード) を与えた時だったけれど、それは想定内のことだった。だって無味のおかゆなど美味しいわけがない。
(「最初の一週間は無味のおかゆを与えましょう」というのが離乳食の進め方の基本だから、ひとまずその通りに与えてみたのだけれど、完全に嫌そうだった。それですぐにベビー用のスープの素を加えて味付きにした。するとバクバクに食べるようになった。)
赤ちゃんが離乳食を食べないと「まだ食べることに慣れてないから」とか「赤ちゃんだから食べないんだ」みたいに考える人が多いけれど、美味しければ食べる、というのが私の実感。
そのため、私はベビーフードを買うときに気を付けていることがある。それは、大人の私の感覚でも美味しそうだと思えるものを選ぶこと。
SNSで見かける手作りの離乳食を見て、いつも違和感があった。クセのある野菜と果物をすり潰して混ぜ合わせたものや、青臭い野菜のペーストをおかゆにかけたものなど、普通に考えて、まずそうだった。私が赤ちゃんだったら、そんな意味不明なものを与えられても困る。
それに比べて、レトルトはどれも美味しそうだった。
じゃあレトルトと同じようなものを手作りすればいいのでは、と言われそうなので先に答えておくと、野菜や果物のペーストに関して、手作りするよりレトルトの方が絶対になめらかだと思う。初期の離乳食において、なめらかさは味の決め手の1つだと思うけれど、家庭で裏ごしをしたら、繊維や薄皮がどうしても残りそう。
手料理では売り物に勝てない
そもそも離乳食に限らず、家庭で作るよりも売り物のほうが美味しいタイプの食べ物は多い。
私はアイスクリームや、とろけるプリンなど、最高のものを目指して研究してみたこともあるけれど、結局買ったものの方が美味しいということがよくわかった。肉まんもそう。コンビニの肉まんには一生勝てないと思う。パンだって、家で焼くよりパン屋さんの方が美味しい。
サラダや炒め物や鍋料理などは、外食だと食材の使い方がケチ臭かったりショボかったりするから、自炊した方が美味しく作れるけれど、作る工程が複雑だったり、使う調味料がやたら多かったりする不健康なものは、だいたい売り物の方がよく出来ていて美味しい。
なんでも手作りにこだわる家庭の子どもは、よそのおうちで初めて食べたお菓子やジャンクフードにめちゃくちゃ感動する、というのはよく聞く話だし、大人になった時にはその反動で不健康な食生活を好むようになる、とも聞く。
大人になってからの方が人生は長いことを考えると、神経質すぎる食育は子どもを少しも健康に導いていない、と思う。
そんなわけで、息子がペースト状のものを食べているうちは、私の手料理では企業が努力をしてなめらかに仕上げたペーストに勝てる気がしないから、美味しそうな瓶詰めのペーストを買って食べさせようと思っている。
もしも「ピーマン嫌い!」と言われたら
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