第2回】『ブラタモリ』尾関憲一Pインタビュー<後編>「テレビでしかできないことがある」

「おもしろさ」を伝えることに徹底的にこだわってきた尾関憲一プロデューサー。そんな尾関さんの代表作『ブラタモリ』はどのようにできたのか。そこにはテレビでしかできないことへの想いがありました。

『ブラタモリ』で目のつけどころを変えたい

—『ブラタモリ』は、どんなプロセスを経て、生まれたんですか?

尾関:『ブラタモリ』は、ディレクターの提案が発端で生まれたものです。
「(1968年に起こった)3億円事件の現場をタモリさんと歩いてみたら、なにが見えるだろう」という漠然とした思いが原型で、そこから「街歩きみたいなものができないか」ということになったわけです。
そして、タモリさんの街歩きの目線を取り入れた番組にしようと、最初に『タモリの時空ウォーカー』という仮タイトルの企画を立てました。そこで提案したのは、「ちょっと目のつけどころを変えれば、ファッションタウンの原宿にも過去の歴史を確認できる痕跡がいっぱい散らばってる。それを歩きながら見つけていこう」っていうものです。

 


—いわゆる「街歩き」ブームは意識されていましたか?

尾関:いえ、番組を作るためにマーケティング・リサーチのようなことは一切していません。むしろ『ブラタモリ』は、観光番組でもなく、食べ歩き番組でもない「街歩き番組」を意識して作ったんですね。そういうかたちならタモリさんの味も活かせるし、新鮮だということで。


—タモリさんにはどんなことを伝えて出演交渉しましたか?

尾関:「ちゃんと時間をかけて取材をします」ということ。それから「NHKが交渉しないと入れないところを意識的に入れていきます」ということですね。さらに「すでにこれだけのネタがあります」と具体例を示して、ひたすら熱意を伝えました。交渉のコツなんてまったくわからなかったので、出演をお願いするというより、制作サイドの熱意をわかってもらおうというところに力を注ぎました。

—そこから無事に『ブラタモリ』がスタートですね。

尾関:はい。総合テレビ木曜夜10時の番組としてスタートしました。制作にかかるスケジュールを考えて、半年間のシリーズ番組としてお願いしました。

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ブラタモリ』を生み出した  脱・マーケティングの企画術

尾関憲一

終了から1年今なお再開を望む声が寄せられる、探検散歩番組『ブラタモリ』。マニアと思われていた地理や歴史の世界を鮮やかにヒットにつなげたのはNHKの敏腕プロデューサー、尾関憲一氏でした。『東京カワイイ★TV』『天才てれびくん』『熱中時間...もっと読む

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