第3回 アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか? — 事業の定義 — (後編) 

いよいよ、久美と与田のマーケティング理論対決が始まる! 6月10日に『100円のコーラ』シリーズの完結編『100円のコーラを1000円で売る方法3』が刊行されます。そこで第1弾『100円のコーラを1000円で売る方法』を完全公開。 『100円のコーラを1000円で売る方法』は、会計ソフト会社である駒沢商会を舞台に、強引なセールス手法でトップセールスになった宮前久美が、「お客さんが喜ぶ商品を創り出したい」という想いを実現するために商品企画部に異動して与田誠に出会い、格闘しながら「価値を売る」マーケティングを学び、商品プランナーとして大きく成長していくストーリーです。

「宮前さん。さっき、『ウチの事業は、お客さんの役に立つ会計ソフトを開発して提供すること』だっておっしゃっていましたね」
 にらみ返す久美の視線を軽く受け流しながら、与田は言った。
「アメリカの鉄道会社も、宮前さんのように『ウチの事業は、お客さんの役に立つ鉄道サービスを提供すること』だと考えたんです。だから、自分たちの顧客がバスや飛行機を使うようになっても、それは自分たちの問題じゃないと考えた。その結果、鉄道会社は衰退していったんです」
 久美はたまらず言い返した。

「それって、あくまで一つのケースで、例外中の例外だと思います。それに、そんな難しいことを言わなくても、お客さんが本当に望んでいる会計ソフトをつくっていれば、お客さんは買ってくれるに決まっているじゃないですか」
「宮前さん。あなたは、お客さんがなぜ会計ソフトを使うのか、考えたことがありますか?」
 思いもかけない与田からの質問に、久美は一瞬たじろいだ。
「それは……会計業務があるからです」

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100円のコーラを1000円で売る方法

永井孝尚

6月8日に40万部突破のビジネスストーリー本『100円のコーラ』シリーズの完結編『100円のコーラを1000円で売る方法3』が刊行されます。 そこで第1弾『100円のコーラを1000円で売る方法』を完全公開。勝気な主人公・宮前久美と...もっと読む

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