完璧主義は自分を苦しめることもある
一番を目指すのは、非常に困難です。
私はそれを、「ミス・パーフェクト」のミシェル・クワン選手に学んだ気がします。5度の世界選手権を制覇し、浅田真央とキム・ヨナ時代の前にスケート界の女王として君臨していた人物です。
彼女は滅多にミスをしないことで知られていました。減点がほとんどないその演技は、「ミス・パーフェクト」の呼称に恥じないものです。
あの頃、私は女子フィギュアスケートに熱狂し、当然のようにミシェル・クワンを「ミス・パーフェクト」と呼んでいました。
彼女はまさに努力の人でした。
私は、80点をとることを「コスト・パフォーマンスの限界点」と名づけています。
80点のところまでは、努力すればするだけ近づいていきます。卓越している点とはいえませんが、合格点としてひとつの基準になります。
しかし、80点から100点に上げていくときにかかる負荷は、0点から80点までに上げていくときにかかる負荷の比ではありません。
私はテストで100点を取るために、教科書の隅々まで何度も読み返しました。
社会の教科書でいえば、本文はもちろん、図表の周りの細かい注意書きも読み、その絵が誰の肖像画かも読みます。挙げ句の果てには「チンギス・ハン」の肖像画のどちらの耳にピアスの穴が空いているか、といったことまで読み込んでいました。
つまり、100点を取ろうと思ったら、少しの読みこぼしもあってはならないと思ったからです。80点を取ればいいという場合に比べて、読み込む範囲は格段に広がります。
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