その日の現場は、檜原村の山奥にある事務所から、軽トラに乗って15分。そこから橋すら架かってない川を長靴に履き替えて渡り、足場の悪い獣道をぐいぐい登ること、さらに約15分。入社したい会社に取材に来たのに、初めて死にたいと思った。通勤道が険しすぎるって!
新しい現場への初出勤は、道を作るところから
東京にありながら面積の9割が山。 「東京チェンソーズ」は、そんなちょっとのどかすぎる場所で、2006年に起業。山の手入れをし、良質な木材の生産を行っている林業の会社です。本社社屋は、かつては養蚕業が営まれていたという築400年の民家。壁にはセクシーな洋ギャルがチェーンソーを片手にキメている、2011年のカレンダーが飾られています。で、メンバーは男ばかり5人(注意!全員イケメンです) 。非常に男らしい会社です。
普段の仕事は、下の写真のような「下刈り」という作業(雑草を刈り取ってるんです)でもって木が育ちやすい環境を作ったり、ナタを使って一本ずつ木の枝を落とす「枝打ち」という作業でもって、真っ直ぐで節目のない良質な木材を育てたり、チェーンソーを使って密集した木を間引く「間伐(かんばつ)」という作業でもって、木の生長を促進したり。このような山の木にまつわる現場仕事全般が、東京チェンソーズのお仕事。
そんなわけなので、仕事時間の大半を費やす場所は、山の中。山といっても気軽にハイキングできるような登山道が整備されてはいないし、車で乗り入れられない奥地の場合も多いので、初めて現場に出勤する時は、まず自分たちで道っぽいものを作りながら歩くという、ワイルドさ。時には、現場まで2時間も登山して〝からの〞 、 本当の仕事の時間を迎えます。最も過酷なのは、チェーンソーや草刈り機などの重機を、拠点まで持って上がる時。聞いてるだけでも、乳酸が溜まってきます。
小さな会社① 東京チェンソーズ 林業
2013年5月22日
従業員30人以下のスゴい会社大特集!夢は、「林業で地球を救うこと」。仕事場まで登山をしなければならないけど、全員がイケメンの林業事業体「東京チェンソーズ」をご紹介します!
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こんな会社が大好き!
最高に、無駄がつまったワンテーマ・マガジン」をコンセプトとした、雑誌『ケトル』。その毎号の特集をcakesで配信していきます。第五弾のテーマは「小さけれど、スゴい会社」。こんな会社で働きたい!と思わえてくれる従業員30人以下のスゴい会...もっと読む