河邉徹
もはや現実の恋愛には胸がときめかなくなっていた
【過去の夢④】
休日に職場の同僚と行った映画館。内容はよくあるラブストーリーだったが、数年ぶりの映画館ということもあり久々に楽しめた。しかしその反面、今の自分が現実の恋愛には興味を持てないことにあらためて気がづいた
<WEAVERの河邊徹がドラムスティックからペンに持ち替えて描いた作家デビュー作!>
イラスト:堀越ジェシーありさ
日曜日に、映画館の前で雅子と待ち合わせをしていた。映画館は数年前にできた、まだ新しい大きな駅ビルの一フロアにある。その駅ビルのおかげで、もともと活気のあった街に、さらに人が増えた気がする。
麻美の家から歩いて行ける場所だが、こうしてプライベートで誰かと会う時に、自分が住んでいる場所の便利さを自覚する。
いつも自分の住んでいる場所を人に言うと、「そんなとこに住んでいる人いるの?」と冗談っぽく言われるくらいだ。
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この連載について
河邉徹
WEAVERのドラマー・河邊徹の作家デビュー作。バンドで作詞を担当してきた河邊の
〝言葉の世界〟をドラムスティックからペンに持ち替え、描いた「夢」をテーマにした長編作。
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著者プロフィール
1988年6月28日、兵庫県生まれ。関西学院大学 文学部 文化歴史学科 哲学倫理学専修 卒。ピアノ、ドラム、エレクトリック・ベースの3ピースバンド・WEAVERのドラマーとして2009年10月メジャーデビュー。バンドでは作詞を担当。
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