J-REIT市場が沸いている。リーマンショック後、700~900台を行ったり来たりしていた東証REIT指数が、
昨年12月ごろから急激に跳ね上がっているのだ(図2‐8参照)。
3月11日の終値は実に1407.28。ほんの3カ月前に比べて34%も値上がりしているのだから、方々から「スピードが急過ぎる」と、過熱感を警戒する声が上がるのも不思議はない。
しかし、なぜここまでJ-REIT市場は活況なのか。
牽引しているのは国内の銀行と投資信託だ(図2‐10参照)。昨年は円高や尖閣諸島問題などにより、輸出企業の株が振るわなかったため、結果的に内需向けのJ-REITが買われたといわれる。 また、昨年12月には自民党政権が復活。大胆な金融緩和を掲げるアベノミクスの一環として、日本銀行によるREIT買い入れ枠の拡大に期待が集まったことも後押しした。
「鶏と卵」ではあるが、市況が改善して新規上場が増え、市場が拡大したことで、新たな投資家を市場に呼び込めたことも一因だろう。日本の不動産業界におけるM&Aだけ見ても、今年1~3月のJ-REITによる取得額が、飛び抜けて大きいことがわかるだろう(図2‐9参照)。 もちろん、オフィス市況が反転することへの期待感が市場を底上げしていることは言うまでもない。
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