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突然ですが、ホルモンとは何でしょうか? 甲状腺が「放射線の標的」と呼ばれる理由も、実はホルモンに深く関係しています。そもそもホルモンとは、身体のさまざまな機能をコントロールすべく血液中に分泌される物質のこと……なのですが、ここではその具体的なはたらきに迫ってみましょう。医療小説の奇才・久坂部羊さんが、ホルモンの謎をやさしく解説。やっぱり『カラダはすごい!』のだ!

ホルモンとは

ホルモンという言葉はよく耳にしますが、正確に説明できる人は少ないでしょう。私もすっかり忘れていて、自分が学生に講義をするようになって改めて理解しました。

ホルモンとは、身体のさまざまな機能をコントロールするために、管を通さず血液中に分泌される物質のことです。ポイントは「管を通さず」というところ。それがほかの分泌液、たとえば消化液や汗、乳汁、精液などと異なるのです。

消化液や汗は管(消化腺や汗腺)を通して、身体の外側に分泌されます(消化管の中が身体の外側であるのは、第一講で書いた通り)。だから、これらを「外分泌液」とよびます。

それに対し、ホルモンは血液、すなわち身体の内側に分泌されるので、「内分泌液」とよぶのです。

ホルモンは血液にのって全身を巡りますが、量はごく微量で、たとえば血液中のコレステロールなどと比べると、百万~十億分の一程度しかありません。にもかかわらず、目に見える効果を発揮するので、ホルモンには何か特別な効力のあるエキスみたいなイメージがあるのでしょう。大阪では、食用になるウシやブタの内臓をホルモンといいますが、これも内臓を食べると精がつくというイメージから名づけられたという説があります(内臓は捨てるものという意味から、放るもん〔=大阪弁で捨てるものの意〕が転訛したとの説もある)。

「環境ホルモン」という言葉も聞きますが、こちらはホルモンによく似た作用を及ぼす環境物質のことで、実際のホルモンとはまったく意味が異なります。インパクトのあるネーミングなので、あっという間にマスコミに広がりましたが、本質を理解せず、イメージだけで言葉が広がるのは危険なことです。

人間のホルモンは三十種類ほどあって、それぞれ分泌する臓器が決まっています。また、作用する臓器も決まっていて、「標的臓器」とよびますが、血糖を下げるインスリンのように、標的臓器を持たないものもあります。

以下、臓器別に内分泌の代表的なものを紹介します。

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久坂部 羊

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