売る側の視点で考えると上手に買い物できるようになる

お金をためる一番のコツは「無駄なものを買わない」こと。「そんなことわかってる!」という声が聞こえてきそうですが、無駄なものを買わないことと、安いものを買うことは全くちがいます。上手に買い物するためのコツを『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』が11万部ヒット中の経済評論家、佐藤治彦氏が教えてくれます。

牛丼が350円なのに、漬物が100円。
店の側から考えると、安さの理由が見えてきます。

 私はバーゲンセール、特売を否定しているわけではありません。
 今でもよく利用します。
 ただ、いらないもの、無駄なものを買わないために意識と技術がいると思うのです。
 仕事柄、国内外のいろいろなアウトレットに行ってみました。
 5割引きになるからと、一日がかりでガソリン代と高速料金を払って出かける人がいます。休日にニューヨークまで出かけて、貴重な滞在時間を郊外のアウトレットに往復のバス代4000円ほど払って出かける人もいます。
 買い物にかける時間とコスト、労力をもっと考えるべきです。
 大々的なバーゲンセール、とくに夏や年末には大手のデパートやスーパーなど宣伝もして多くの人を集めます。
 私はこういうセールこそ、危険が山ほどあると思うのです。
 こういうときに本当にいい買い物ができる人は、商品のことをよく知っている人です。
 普段から店で商品を見定めている人です。それなら短い時間でも決断できるからです。
 そうでないと、多くの場合は周りの空気に流され、商品をきちんと選ばずに買ってしまいます。
 周りが必死に買ってるから負けたくない(?)とでも思うのでしょうか。思考停止状態も少なくないと思います。
 それに、本当にお買い得なバーゲンの多くは、大きなセールが始まる前に普段のお店でこっそり始まるものです。
 それでもいわゆる定番商品は、正価のままのものですが、時に全商品2割引というセールを行うことがある。来期は売れない商品の5割引セールよりも、定番商品の割引のほうがずっとお買い得ではないでしょうか? 
 もうひとつ、お買い得のセールといえばファミリーセールをあげなくてはなりません。
 ファミリーセールは、本来はショップやブランドの株主、従業員とその家族向けに始ま ったクローズドセール(一般の人は入れない)です。
 それが拡大されて、従業員とその友人、知人、もしくは、お得意様も入れるようになってきました。 招待状がないと入れないのですが、絶対にバーゲンをしないブランドも大幅値引きセールをするので、噂はどんどん広がっています。
 一時期、ネットオークションでその招待状が5000円といった高値で売買されることもあったくらいです。一度、関係者と出かけると、名前や住所が登録でき、次回開催の招待状が届くようになったりします。
 友人に気になるブランドのファミリーセールに誘われたら、ついていくことをオススメします。

 話は変わりますが、バーゲンや安売りで、どう考えても安いものがあります。
 たとえば、タマゴ1パック90円、しょうゆ100円、国内メーカーの40型テレビ3万円、一流ブランド靴下100円、洗剤150円、といった具合です。
 目玉商品でおひとり様1点限りというのもよくありますね。
 わざわざ新聞の折り込みチラシで宣伝までします。もちろん、チラシの宣伝などしなくても、売りきれるのになぜそこまでするのでしょう。
 それは、お店までお客さんに足を運んでもらいたいからです。そして、合わせてほかの商品も買ってほしい。新規開店の場合には、とにかく一度でも店に来てもらって、認知度を高めたいということもあります。
 まるで撒き餌のような商法です。
 そのような目玉商品は、多くの場合、店の奥のほうに置いてあることが多いものです。
 そうすれば自然とほかの商品も見てもらえるからです。

 これは、デパートの「シャワー効果」と似ています。
 デパートではバーゲンなどの催事場は上階にあるもの。デパートの最深部の上の階までお客さんに来てもらえば、そこから下の階に降りていくときに、ほかの階の売り場も見てもらえるからです。
 どちらもお客さんは、目玉商品やバーゲンが目的で来店していますから、お店側はその場所まで足を運んでくれることを利用していますね。
 一方でチラシなどで宣伝をしないディスカウントストアやドラックストアなどは、誰でも買いたくなるような目玉商品を店先、時には道路に沿って派手な文字の価格プレートを添えて陳列します。
 そうすれば、店の前を通る人に足を止めてもらえるからです。
 売る側の視点で考えると、安いものはどこにあるのか、何が安いのか、どうして安いのかもわかってくるものです。

 ほかにも、ファミリーレストランやファストフードには、戦略商品があります。
 ハンバーガーやデザート、飲み物を100円といったような割安にしておく。
 来店してもらったら通常価格の商品の魅力を強調して、割安の商品から通常価格のものへ購買を誘導する。
 牛丼チェーンでは、メインの牛丼がいちばん安いものです。牛丼が350円しかしないのに、なぜ漬物は100円、生タマゴは60 円もするんだろう? と思いませんか。
 なぜプリンターや替え刃式のカミソリ、電動歯ブラシが驚くほど安いのか。
 これは、インクや替え刃、歯ブラシのヘッドで利益を上げようとしているからですね。

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普通の人がケチらず貯まるお金の話

佐藤治彦

こまめに電気を消す、トイレのタンクにペットボトルを入れる、衣類はバーゲンでしか買わない……こうしたケチケチした節約方法は実は意味がない、と言うのは経済評論家の佐藤治彦氏。「1円を笑う者は1円に泣く」「チリも積もれば山となる」とはよく言...もっと読む

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