ココロ

第11回 scene : リボン

一号機「リン」は暴走事故を起こし、当時の研究助手が命を落としていた。その一号機のボディを使っている二号機のことを「殺人ロボット!」と煽り立てる記事が週刊誌に掲載される…。平田製作所にとっては死活問題だと慌てる平田。一方、天本は…?
ニコニコ動画での再生回数180万回を誇るボーカロイドの名曲を基にしたノベル版『ココロ』を一部公開します。ノベル第2弾『ココロ―再会―』も発売中です。


「天本お前、岸田に連絡はとれないのか」
「とれるわけないでしょう」
「なんでアドレス交換しておかないんだよ!」
「ええぇーあの場で!? だいたい連絡してどうするんです?」
「記事を止めさせるんだよ!」
 仮に岸田がやったものだとしても、そんなことができるとは思えなかった。
「もしかしたら曽我部が知ってるかもしれないから、訊いておきますよ」
「なんであいつが知ってんだ」
「まあその辺は—」
 天本はふと気になって、もう一度記事を見た。
 記事は校正段階で、あちこちに誤字脱字を直す線や記号が書きこまれている。
 平田研究所、と書かれたところに訂正が入っていた。

—このことは、二号機の耳には入れないでくださいね」天本は言った。
「え?」
 平田は固まって、まじまじと天本を見た。
「ちょっと入れ込み過ぎじゃないか?」
「人間と同じように扱うって決めたでしょう?」
「にしたって、ちょっと神経質過ぎだろう。相手はロボットだぞ」
「ああ見えて二号機は、意外とナイーブなんで」
 

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ココロ

トラボルタ /石沢克宜 /なぎみそ

ニコニコ動画で再生回数180万回を超えるボーカロイド・鏡音リンオリジナル楽曲『ココロ』。物語性の高い歌詞が魅力で、舞台化、ミュージカル化、小説化されている伝説の名曲です。5月27日のノベライズ第2弾『ココロ―再会―』(PHP研究所)の...もっと読む

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