初日の騒ぎが一部で報道されたことも影響したのだろう、一般公開日の平田製作所ブースには人が大挙して押しかけた。第一研究室の人間も動員して会場整理にあたったが、閉会時間を過ぎてもなかなか人が引かなかった。
日程の後半にはミクも展示された。二号機とミクの掛け合いは、観客の好奇心を十分に満足させたようだ。
ロボットテクノロジー展2012は全日程を終えた。
それからしばらくの間、天本と二号機はメディアの取材に追われた。
だが一ヶ月も経つと取材も落ち着き、平田製作所は日常に戻っていった。
「あまもとー! あまもとはどこー!」
二号機はケーブルが長くなったおかげで行動範囲が広がり、二研のラボを出て天本を探しに行くことが度々だった。
今日も同じフロアにある一研のラボに向かってスタスタと歩き、その後ろを佐原がケーブルを捌きながらついていく。町子は二号機の子守を佐原に押しつけ、自分は定時で帰ってしまった。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。