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こんにちは、きのコです。
ポリアモリーについて、コラムを書いたりイベントを開催したりするようになってはや数年が経つ私ですが、その活動をリアルに家族に紹介したことはほとんどありません(新聞やウェブニュースに載った時は、目に留まってはいるようですが……)。
先日、故郷の福岡でイベントに登壇する機会があり、恋人のIさんにも参加してもらうかたわら、初めて母親をイベントに招待しました。
いつもとは違うかなりの緊張感
イベントのタイトルは、「九州×東京トークミーティング『ライフスタイルと性のつながりからこれからの家族を考える』【ポリアモリー×幸せな性暴力サバイバー】」。性のトピックで活動し、性暴力被害や性教育、そしてポリアモリーやオープンマリッジなどのパートナーシップのあり方について、ポジティブな発信をしている4人のトークイベントです。
主催はA-live connect代表、性暴力サバイバーの卜沢彩子さん。私以外のゲストとしては、ポリアモリーかつLGBTの当事者であり性文化・宗教についても研究している香久山雨さん、そして、大分で “一生ものの性教育マスター”として活動している性暴力サバイバーの工藤千恵さんが登壇されました。
当日は、20代から60代まで、幅広い年代の方々が参加してくれました。
私と一緒に福岡にやってきたIさんは、前のほうの席に座っています。母親はIさんのすぐ後ろの席。
母親と恋人(ちなみにこの時点では、まだ二人に面識はありませんでした)が聞き入っているとあって、私はいつもとは違うかなりの緊張感を感じました。
イベントの内容は大きく二つ。前半では「性暴力サバイバーが前向きに性を語る理由」をテーマに、「どんな性被害があったか」「どう回復したか」「なぜ前向きに語るのか」「#MeTooについて思うこと」についてトークセッションしました。
後半では、「ポリアモリーってなに?LGBT?セクシャルマイノリティ?これからの家族とパートナーシップを語る」というテーマで、「それぞれのパートナーシップの形態」「ポリアモリーとして生きるに至った経緯」について語り合いました。
各テーマごとに参加者の皆さんも含めたグループトークをおこない、最後にまとめとして「性に振り回されると性を楽しむの違い」について思うところを4人で考えました。
立場の異なる4人でありながらも
ポリアモリーを語る中で印象的だったのが、香久山さんの「ポリアモリーをコミュニティ作りの手段として選ぶ話」です。
私は「複数の人を同時に好きになる自分の感情」がポリアモリーへの出発点になっているのに対し、香久山さんは「結婚や恋愛をする上で排他的なコミュニケーションが当然とされる社会への疑念」が出発点になっているという違いがあって興味深く感じました。
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