欧米の子育ては「夫婦のプロジェクト」。日本は全部「母親の責任」。

今の日本では、専業主婦=子育てをする人、ということになっています。でも、母親と子どもが一対一で長時間いっしょにいるというのは、人類の子育ての歴史のなかではものすごく「異常」なことです。子どもにとっては、保育園や幼稚園のような同年齢の子どもたちに囲まれた環境のほうがずっと「ふつう」なのです。失敗の許されない、子育てというプロジェクトにどう向き合う? 話題の『専業主婦は2億円損をする』から特別連載。


話題沸騰!

『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)

子育ては専業主婦の義務?

 いまの日本で、専業主婦というのは「子育てを専業にする女性」のことです。だから彼女たちは、子育てに失敗することがぜったいにできません。子どもが幼稚園や小学校で問題を起こせば、「いったいなにをやってるんだ」と思われるからです。

 でもこれは、共働きの母親も同じでしょう。子どもが問題を起こせば「ちゃんと子育てをやってないからだ」と批判されるので、より必死になるのです。
夫婦の問題というのは、じつは子育ての問題です。

 子どものいない夫婦で、夫が浮気したら、本人たちはたいへんかもしれませんが、まわりは「そんなのよくあることだよ」「さっさと別れちゃえば」とあっさりいうでしょう。それでバツイチになっても、「ダメ男に引っかかっちゃった」といえば、「それってよくある」とみんな同情してくれます。

 ところが、子どもがいるとそうはいきません。「父親がいないとかわいそう」とか、「母子家庭でどうやって食べていくの」といわれ、「浮気の一度や二度はガマンしなくちゃダメよ」と逆に怒られてしまうのです。子どものいる家庭には、リセットボタンがないのです。

 でもこれって、なんかおかしくないですか?
 このようにして欧米社会では、子どもがいてもリセットボタンを押せるような生き方が好まれるようになってきました。

子どもは社会の中で育つ

 そもそも、母親と子どもが一対一で、閉鎖された空間に長時間いっしょにいるというのは、人類の子育ての歴史のなかではものすごく「異常」なことです。子どもはそんな子育てに適応するように「プログラム」されていませんから、“愛情たっぷり”に育てても、それにこたえてくれるかどうかはわかりません。子どもにとっては、保育園や幼稚園のような同年齢の子どもたちに囲まれた環境のほうがずっと「ふつう」なのです。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

新しい時代の人生設計!

この連載について

初回を読む
専業主婦は2億円損をする

橘玲

マスコミから取材殺到、大反響! 新しい働き方と生き方を提案する、話題の書から特別連載。「仕事疲れた、専業主婦になりたい」。そう思っているあなた、ちょっと待って。会社は辞めても、仕事をやめてはいけません。妻が専業主婦というあなた、このま...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

ks_acya この本買おう! 1年以上前 replyretweetfavorite

Beselist 何でも欧米と比べるというのも…。この島国特有の手立てってありませんかねぇ? 1年以上前 replyretweetfavorite

marekingu #スマートニュース 1年以上前 replyretweetfavorite

ak_tch 「 cakesの連載も更新されています。 1年以上前 replyretweetfavorite