さかなクンが「ギョ」を使う基準

今週のテーマはタレントでイラストレーターで魚類学者で東京海洋大学の名誉博士号で絶滅種だったクニマスを発見したことで知られるさかなクンです。先日、ネット上の批判にショックを受けた胸の内をFacebookで明かしたさかなクン。その批判は話し方に対するものばかりだったそうですが、そんなさかなクンが言葉に「ギョ」を付ける基準について、武田砂鉄さんが考察します。

「さかなクン」に「さん」をつけるべきか問題

事件は、1月末に起きた。さかなクンがFacebookに、視聴者から誹謗中傷を受け、高熱を出してしまった、と投稿したのである。その投稿には、数件の誹謗中傷をコラージュした画像が貼付けられており、「不愉快すぎてほんとお願いだから存在自体消えてとは言わないからテレビから消えて(切実)」などの声が寄せられたとある。この投稿を受けて、さかなクンを慕う人々からの励ましのコメントが殺到した。中には、大海には毒を持つ魚もいるとの前提を匂わせながら、「さかなクンがこの言葉にへこむなら、これらの『毒』を飲んだことになりはしませんか?」と彼のことを想う、目の覚めるようなコメントも注がれている。

さかなクンが貼付けたコメントは4つ。そのうちの3つで「ほとんど擬音ばっかりでうるさくて」「声がデカくて」「騒いでばかりいないで落ち着いて解説してくれ!!」と、彼の声のデカさについての文句が寄せられている。これはなかなか奇妙に思える。江頭2:50がテレビに出て、何かと人道的な対応を繰り返していたら変だと思うように、さかなクンに、落ち着いて解説せよ、と申し出るのは、彼への要求として最も不適当である。

さかなクンについて問う時、真っ先に「さかなクン」に「さん」をつけるべきか、との壮大な議題が浮上する。2009年の日本魚類学会でさかなクンと同席したこともある天皇陛下が、翌年の会見で「京都大学中坊教授の業績に深く敬意を表するとともに、この度のクニマス発見に東京海洋大学客員准教授さかなクンはじめ多くの人々が関わり、協力したことをうれしく思います」(宮内庁ウェブサイト「天皇陛下お誕生日に際し」より)と述べた。さかなクンはじめ多くの人々、という発言によって「さかなクン」に「さん」は不要である、との見解が広まったのだ。

「ご」を見つければ「ギョ」と変換
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

sayokou いつになくハートフルなコラムでした。 約1年前 replyretweetfavorite

elba_isola |武田砂鉄 @takedasatetsu |ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 約1年前 replyretweetfavorite

dyaco_huguruma |武田砂鉄 @takedasatetsu |ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 「ギョギョギョ」は水木しげる御大からだったのか…! https://t.co/ykD1Evj5Rg 約1年前 replyretweetfavorite

yuiasmonkeygirl 彼の身の上にそんなことが起きていたとは・・・。TVチャンピオンのときからずっと、さかなクンに嫌悪感を抱いたことなど一度もギョざいません!!! 約1年前 replyretweetfavorite