私はアイスホッケーで忙しい。カレシは要らない。元カレも拒否。

【小説の展開】五カ国対抗でスイスへ発つ前にも中華料理店の厨房で働くアン。重たい鉄鍋振りも手首を鍛える筋トレとして励んでいる。外国チームにも勝るシュートを打ちたい。その一心で、五人前の焼きめしを空中に放り上げて炒める。そんな仕事中、ボーイフレンドのフィルが派手なキャバ嬢を連れてレストランにやって来た。元カレとはなんと面倒くさい存在である事か。私はアイスホッケーと厨房で忙しいのだ。あっちへ行って!

*主人公の無瓢 庵(ムヒョウ アン)。背番号99。23歳。アスリート&中華料理のシェフ見習い。実際の女子アイスホッケー代表チーム「スマイルジャパン」に架空のアスリート、アンが参加して物語は進みます。

21.私は手首のトレーニングだと思いながら、真剣に中華鍋を振るのである。

 スイスへ旅立つ2日前となった。
 今夜が出発前の最終勤務である。私は対戦相手をイメージしながら、エビと角切りの焼き豚が転がる鍋を振った。
 五カ国対抗に出場するのは日本以外にスウェーデン、ロシア、ドイツ、そして地元のスイスである。どの国も日本より世界ランクは上、特にスイスはカナダやアメリカとも善戦する強豪だ。身体のサイズがとりわけ小さなスマイルジャパンが勝負するには、最後まで動き回ること、パスの数を増やし、スペースを作ることである。

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小説「スマイル」。女子アスリート冒険物語

松宮宏

「スマイルジャパン」に架空の選手「アン」を加えて進む小説。アメリカでアイスホッケーに出会った「アン」はジュニアを経て全米大学選手権で活躍する。日本代表はアンを帰国させるがソチは全敗、アンが所属する事になった社会人チームもリンク閉鎖の危...もっと読む

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