バーゲンや百円均一ショップは「安く買えた」わけではない
お金が足りない、お金が大切と思っていて、洋服やバッグ、雑貨などをバーゲンでしか買わないという行為は、おおよそ節約と逆方向に行っていることが多いものです。
節約の王道は、無駄なものを買わないこと。
しかし、バーゲンに行くと、安価で得だと思ってものを買うわけです。
買う、と、買わない。
真逆な行為をしています。
バーゲンの危うさは、今すぐ買わない とこの価格で安く買えなくなってしまうとか、得できなくなるとか、そんなヘンテコなプ レッシャーで、ものを買う決断のハードルを低くしてしまうことです。
お買い得、という言葉に弱い方は、多くの場合、得していません。
「お買い損」してい るんです。
使わないものにお金を出してるんですから。
限定セールも消費者にプレッシャーをかけます。お弁当からバッグまで限定100個と いった、あれです。
バーゲンも、限定セールも、自分だけが手に入り、自分だけ得したいという、誰もが持 つ人の心のちょっと黒い部分を刺激し渇望させて買わせるわけです。
しかし、限定セールというのは、まやかしに近いこともあるものです。
少なくとも大き な会社が限定セールで販売する商品はテストマーケティング的な場合もあり、実際の商品 として販売したらはたして売れるのか試しに作って販売する。
そして、これは売れる! となったとたんに、消費者のご要望により、通常販売することにいたしました! と、い けしゃあしゃあと言うことがあるものです。
日時限定セールでも、「要望に応えて本日限定でアンコールセールです!」となる。
バーゲンや限定セールで、たいして欲しいものでもないのに買ってしまう。
こうして買 っただけで満足して着ない服、使わないバッグ、履かない靴がどんどん増えていく。
値段が安いから買う。限定品だから買う。
それは、自分が本当に欲しいものを買ってい ないということです。得だと思うから買う。しかし、損しているのです。
得したいではなく、本当に欲しいかしら? と考えて欲しいのです。
私は自分が本当に欲しいものまでガマンして暮らす人生はつまらないと思います。
しかし、多くの人が自分が本当に欲しいもの、必要としているものを考えずに何となく買う。
そして、どんどんお金を減らしてしまっている。
たいして欲しくないものにお金を使うの は愚行です。
真逆のことのように思うかもしれませんが、私はこう申し上げたいのです。
もっと自分の欲望にきちんと向き合ってください。
自分の欲望、つまり自分が本当に欲 しいものと向き合うことこそが、お金が貯まる王道だと言いたいのです。
お金を貯めるためのトレーニングは「定価で買う」こと
私は「バーゲン」に弱いという人に次のトレーニングをして欲しいのです。
それは、これから最低1年、できれば2年間は、バーゲンでものを買わないことです。
限定セールはもってのほか。
正価でないと買わないと決める。
できれば、長く使うものは 100円均一ショップでも買わない。
この商品は安いから買おうかしら? という買い方からいっさい手を引くのです。
今まではバーゲンで洋服を買っていた人は、正価でものを買うのは高くてツラい。しかし、そうなると、この商品は本当に欲しいか? 必要か? ということを徹底的に考える。
自分に似合うか、買って使うことって本当にあるのか? この洋服にコーディネイトできる ものは持っているか? などと、商品に対して多方面から検討するようになるものです。
1年もすると、本当に必要なものしか買わないようになっているはずです。
値段ではなく商品そのものに向き合うので、ものを見る鑑識眼も着実にアップします。
「安いから買う」から、「必要ないから買わない」に変わる。
そして、買うものは本当に必要で好きなものですから、買ったあとは使うのが楽しみで、 何回も長く使うことになるはずです。
おおよそ、芸能人でもない限り、毎日2回も3回も洋服を着替えるような生活を送るこ とはないもの。洋服を新しく1枚買うことは、今まである洋服を着る機会が、それだけ減 っていくことを意味します。
持っている洋服をどんどんタンスの肥やしにする=ゴミにする行為 なのです。
こうして、必要ないものは買わない消費生活になると、バーゲンに行っても、この商品 は本当に必要かしら? と考えて買うようになります。
値段が安いだけでは買わない。バ ーゲンでも値段ではなく、もの=商品に向き合う。
こうして、本当にいい買い物ができる ようになっていくのです。
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