第3回】 学費高騰が続くアメリカ名門大学に意外な「敵」が!コンサルティング会社が設立をもくろむ新たなビジネススクール

私は先日、ハーバードビジネススクール(HBS)に招待され、授業内で講演に行った。ハーバードではまた、多彩な方々が食事に招いてくださった。その中でしばしば出た話題は、ハーバードをはじめとするアメリカ名門大学の「学費の高さ」である。


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9割引きされるアイビーリーグの学費

前々回の本欄で記したように、私は先日、ハーバードビジネススクール(HBS)に招待され、授業内で講演に行った。ハーバードではまた、多彩な方々が食事に招いてくださった。その中でしばしば出た話題は、ハーバードをはじめとするアメリカ名門大学の「学費の高さ」である。

 この「学費」が将来どうなるかについて、非常に興味深い生の話を聞くいことができた。今回は、この問題について考えてみたい。

 アイビーリーグ各大学の学費は、確かに高い。しかし、一般論として言われる「州立大学の学費の方が(アイビーリーグなどの)私立大学より安い」というのは間違いだ。

 アイビーリーグ各校の学部には、家族の所得や資産に応じたディスカウントがある。例えばエールもハーバードも、規定された学費は5万ドル(約500万円)を超えるが、それがフルに適用されるのは、家族年収が20万ドル(約2,000万円)を超える学生のみ。年収8万ドル(約800万円)の家庭なら、ハーバードで8,000ドル(約80万円)、エールで6,500ドル(約65万円)と、何と「8割引き」以上のディスカウントになる。

 家族の年収が2万ドル(約200万円)以下となれば、両校とも学費は4,000ドル(約40万円)を切り、「9割引き」となる。こうなれば州立よりずっと安い。

 このように、アメリカのアイビーリーグ各校の学部の学費は、潤沢な寄付金を使って、低所得者に対しては世界でも類を見ないくらいの配慮がなされていることを最初に伝えておく。

有能な若者の「起業ブーム」が学費を下げる

 保育園に通う息子2人を抱えたハーバード大学の教員が、キャンパス近くの中華料理屋にランチに招いてくれた。彼は笑いながらこう語った。

「アメリカの教育課程では、最初と最後が高いんだ。つまり、保育園や幼稚園と大学。もちろん、真ん中の初等・中等教育も、高くしようと思えばいくらでも高くできるんだけど」

 最近は、Ph.Dを持つ奥さんも大学で働いているという。

「妻は"子供と過ごしたい派"だけど、子供たち2人がアイビーリーグに行きたいと言い出したら大変だからね。今のインフレ率で計算すると、彼らが18歳になる十数年後の学費は、年間10万ドル(1,000万円)を超えてしまう」

 こう溜め息を吐いた彼に、私は聞いてみた。

「アメリカの名門大学の学費が下がる見込みはないの?」

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