話題の角田光代訳『源氏物語』に迫る!

源氏物語を「古文として習うもの」から「楽しんで読むもの」に変えた|毎日放送アナウンサー・西靖

話題沸騰!角田光代訳『源氏物語』。2017年10月、関西で人気の情報エンターテインメントTV番組「ちちんぷいぷい」で、角田光代インタビューを行ったのが毎日放送アナウンサーの西靖さん。そのインタビューは、角田源氏の核心に触れる充実した内容で、大きな反響を呼びました。その西さんにあらためて、角田源氏と作家・角田光代のことについて、ご執筆いただきました。


こだわりのない(ようにみえる)文章を使う凄み 


 角田光代版源氏物語の出版にあたり、角田さんにインタビューさせていただくという機会を頂いた、毎日放送アナウンサーの西靖と申します。それはそれはたいへん光栄で楽しいお仕事だったのですが、そのご縁で、角田さんについて、源氏物語について書く場までいただくことになりました。
 それなのにのっけから読む気を削ぐようで恐縮なのですが、こういったコラムのご依頼を頂くと、どうしても少し気負ってしまいます。早い話が、せっかくだからいい文章を書きたいという気持ちがにじみ出て、どうしても筆圧が上がり気味になってしまいがちなのです。心に残るフレーズを使いたい。他の人とは違う文章にしたい。ひょっとしたら角田さんご本人も目にとめるかもしれないので、機嫌を損ないたくない、いや、できれば気に入っていただきたい。そんなみっともない欲が下敷きになるので、使い慣れない難しい言葉を使ったり、どこかで見た洒落た言い回しを無理やりはめ込んでみたりするのです。ご担当者が「あまり硬くならずに気楽に」と仰ってくださいましたが、依頼メールにわざわざそうお書きになるということは、私以外にも、そういう背伸びをしてしまう人はいるということかもしれません。

 と、実にうっとおしい書き始めだと思うのですが、なぜこんなつまらない前置きをするかというと、角田さんにお話を伺ったときの、ある言葉が頭から離れないからです。それは、

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話題の角田光代訳『源氏物語』に迫る!

「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」編集部

発売以来、話題騒然!角田光代による新訳『源氏物語 上』。 『八日目の蟬』など数多くのベストセラー作を生み出してきた角田さんが“長編小説断ち”宣言をしてまで、現代語訳を引き受けた理由、実際に訳しはじめてからの苦労や「源氏物語」の魅...もっと読む

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コメント

ikb 『「こだわりのない(ようにみえる)文章を使う」ということです。つまり文体にこだわらない、というわけではなく、むしろこだわりぬいている』 5ヶ月前 replyretweetfavorite

Kawade_shobo 【連載更新】 5ヶ月前 replyretweetfavorite