菅俊一
アイデアの種は、あなたの日常の「小さな違和感」に隠れている__痕跡から推測する①
観察とは、日常にある違和感に、気づくこと。
この本は「観察」という行為を「練習」するという目的で書かれました。観察と言っても、私たちが小学生の頃にやったアサガオの観察のように、ある特定の対象を継続して見続けるものではありません。この本で観察の対象としているのは、身の周りの環境、つまり世界全体です。 私たちの身の周りでは日々、さまざまな「おや?」と違和感を抱くような出来事が起こっています。それは、誰かの手による創意工夫であったり、自然環境が作り上げた現象であったり、自分の眼が勘違いしたものであったりするのですが、あまりにも膨大なため、普段は無意識に見過ごしてしまっています。しかし、このような「日常の中の小さな違和感」にこそ、私たちを驚かせたりワクワクさせたりするアイデアを生むためのヒントが隠れているのです。
書籍『観察の練習』の内容を特別掲載!

cakesでは菅俊一×伊藤ガビン対談記事も掲載中!
この連載では、私自身が日常的に行っている「観察」の例を紹介します。ぜひ、読者の皆さんも一緒に私が発見した「日常の中の小さな違和感」に気づいてみてください。
◎このページの読み方
①まず写真だけを見て、この写真が捉えた違和感が一体何なのか、少し考えてみてください。
②次に、下にスクロールした先に書かれた文章を読んでみてください。ここには、私が気づいた日常の中の小さな違和感に関する、短い文章を書いています。最初に写真を見たときに皆さんが思ったこととまったく同じことを書いているかもしれませんし、まったく違うことを書いているかもしれません。
写真の解釈に正解はありません。日々の生活の中で感じた小さな違和感を見過ごさずに考えていくということを、読者の皆さんも体験してみてください。
それでは、一緒に観察の練習をはじめましょう。
菅 俊一
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アイデアの種は、あなたの日常の「小さな違和感」に隠れている――。
この連載について
菅俊一
“アイデアの種は、あなたの日常の「小さな違和感」に隠れている”ーー。
こんな帯文が目を引く書籍『観察の練習』(NUMABOOKS刊)は、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」「アスリート展」などで展示のディレクションに携わり...もっと読む
著者プロフィール
表現研究者/映像作家/多摩美術大学美術学部統合デザイン学科専任講師
1980年東京都生まれ。人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、様々なメディアを用いて社会に提案することを活動の主としている。主な仕事に、 NHK Eテレ「2355/ 0655」 ID映像、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」コンセプトリサーチ、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展示ディレクター。著書に「差分」(共著・美術出版社)、「まなざし」(ボイジャー)、「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」(共著・マガジンハウス)、「観察の練習」(numabooks)。主な受賞にD&AD Yellow Pencilなど。
http://syunichisuge.com