山本 昌
「
マイナス思考」でポジティブな結果を生む、山本昌の逆説思考法
50歳で現役を引退するまで、最多勝3回、沢村賞受賞、プロ野球史上最年長でのノーヒットノーランや200勝達成など、球史に残る数々の記録を樹立した山本昌さん。32年にわたるそのプロ生活の原動力は、意外なことに「マイナス思考」だったといいます。ポジティブシンキング全盛の時代に“レジェンド”が投げかける逆説の一球は、真っすぐ? それとも変化球?
"緊張しないベテラン"に憧れた若手時代
32年間の現役生活の中で、ぼくは581回も一軍のマウンドに上がった。アマチュア時代やアメリカ留学を含めれば、恐らく千回を超えると思う。
若手のころと全盛期、さらに晩年では、身体の状態や経験値、フォームや周りの評価はかなり異なってくる。ただ、ほとんど変わらなかったこともある。マウンドに上がるときの、あのいやーな緊張感だ。
若手時代、公私にわたって面倒を見てくれたエースの小松辰雄さんが、あるとき寂しそうな顔つきで話していた。
「どういうわけか最近、マウンドに上がるときに緊張しなくなったんだ。これじゃあ、ダメだよな……」
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セカンドキャリアを楽しむためには、ちょっとの努力とコツがいる
この連載について
山本 昌
第二の人生は現役時代より忙しい――。50歳でのプロ野球界引退後、現在は野球解説者、コメンテーターとして引っ張りだこの山本昌さん。「マイナス思考の塊だった」という彼の人生を変えたのは、たった1つの習慣だった⁉ 仕事と趣味の2つの視点でセ...もっと読む
著者プロフィール
1965年8月11日生まれ。1984年に日本大学藤沢高校からドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。32年に及ぶ現役生活で3度の最多勝に輝き、1994年には沢村賞を受賞。2006年には史上最年長でのノーヒットノーランを達成(41歳)。以降も数々の歴代最年長記録を塗り替え、2008年には通算200勝を達成(42歳)。史上初となる50歳での登板を最後に、2015年に現役を引退。セカンドキャリアでは、野球解説者・スポーツコメンテーター、講演会講師として精力的に活動。ラジコン、クワガタのブリーダー、競馬など趣味の分野でも活躍中。Twitter:@yamamoto34masa