漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?
自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。(作者:福本伸行 講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)
●木暮太一 カイジ「命より重い!」お金の話 【第1回】はこちらをご覧下さい
●木暮太一 カイジ「命より重い!」お金の話 【第2回】はこちらをご覧下さい
●木暮太一 カイジ「命より重い!」お金の話 【第3回】はこちらをご覧下さい
先日、『カイジ「命より重い!」お金の話』が発売されました。これは、漫画『カイジ』のストーリーになぞらえてお金の大切さと怖さを解説した本です。
発売後、すぐに大きな反響がありました。著者である私のところにも多数のメールやメッセージが届き、質問も多く寄せられました。
一番多かった質問が、
「日本人のマネーリテラシーが低いのは、どこに原因があるのでしょうか?」
「どうすればこの問題が解決されると思いますか?」
というものでした。
読者のアンケートでは、マネー教育をすべきなのは、「親」と答えた方が、合計で約66%いました。私はこの結果こそが上の質問に対する答えだと思うのです。
私自身も、マネー教育は親がすべきという意見に賛成です。そして同時に、親から子へのマネー教育が不足していることが、日本人のマネーリテラシーの低さの原因になっていると考えています。
もちろん、学校で体系的に学ぶことができれば、それがベストです。政府もマネー教育の必要性を認めていて、高校などで「授業」を実施しているようです。
しかし、「形式ばっていて、はっきりいって面白くない」「生徒が興味を持たない」という声を現場の先生から聞きました。マネーリテラシーが本当に必要な人たちには届いていないのが現状なのです。マネー教育を学校に期待する声も多いですが、実現するまでに時間がかかりそうです。
日本人は文化的にお金の話を避けます。そのため、「お金の怖さと大切さを知ってほしい!」と訴えても、"けむたがれる"ことが多いです。
しかし、『カイジ』に重ねれば話は別です。『カイジ』の内容が、漫画の世界にかぎった絵空事ではなく、現実に起きつつあることだと知れば、マネーリテラシーの必要性を痛感できると思うのです。ぜひ『カイジ』をマネーの教材と捉え、再読してみてください。子どもへのマネー教育は親の責任です。
さて、今回は、借金地獄への入り口となっている「クレジットカード」の現状をお伝えします。
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