妖怪処刑人 小泉ハーン

法を犯してでも信念は曲げない

一八九九年夏。京都にある下劣な見世物小屋「サウスイースト・ビリーヴ・オア・ノット」。最新のショウは、本物の死体と見紛うばかりのゾンビ少女の見世物。小屋の前を通りかかった旅行服姿の女、文子は、デッドガールの容姿や傷跡が死別した娘に酷似していることに気づく。文子は京都に滞在中の妖怪ハンター、小泉八雲を頼るのだった。
◆伝奇アクションホラー小説『妖怪処刑人 小泉ハーン』より「デッドガール」編第4回!◆


「しずる! しずる! 間違いないわ! あの額の傷跡! ……しずる! お母さんよ!」

 ハーンの後ろにお蔭と並んでいた文子が、ステージに向かって呼びかけた! だがアメイジング・デッドガールはその声に反応せず、目の前の生肉を見てダラダラと涎を垂らすのみ!

 客はまだ、自分たちが見ていた見世物の正体を理性で否定しようとし、囁き声で話し合った!

「妖怪猟兵だって? 実在したのか⁉」「とうの昔に解散した、葵の御紋の?」「いま、小泉八雲って言ったか⁉」「おい待てよ、妖怪猟兵が来たって事はだぞ……いまステージに立っているのは……!」

 BLAMN!

 ハーンはライフル銃で問答無用の射撃を行った!

「Arrgh」

 ぱん、と音がし、銃弾はアメイジング・デッドガールの額を貫通した。黒いブーケが弾け、腐った脳漿が飛び散った。一拍遅れて、中から不気味な屍肉蟲(インセクト)や百足の類がワッと溢れ出した! 観客席から悲鳴が上がった!

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妖怪処刑人 小泉ハーン (単行本)

本兌 有,杉 ライカ,トレヴォー・S・マイルズ,久 正人
筑摩書房
2018-02-20

この連載について

初回を読む
妖怪処刑人 小泉ハーン

ダイハードテイルズ

時は19世紀末。葵の御紋は未だ死せず。江戸城には無慈悲なる大老井伊直弼。永世中立交易都市たる京都神戸を境に、西部では薩長同盟が勢力を維持。一方、強化アーク灯の光届かぬ荒野には未だ魑魅魍魎が跋扈し、開拓地の人々を脅かし続ける。かくの如き...もっと読む

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