「しずる! しずる! 間違いないわ! あの額の傷跡! ……しずる! お母さんよ!」
ハーンの後ろにお蔭と並んでいた文子が、ステージに向かって呼びかけた! だがアメイジング・デッドガールはその声に反応せず、目の前の生肉を見てダラダラと涎を垂らすのみ!
客はまだ、自分たちが見ていた見世物の正体を理性で否定しようとし、囁き声で話し合った!
「妖怪猟兵だって? 実在したのか⁉」「とうの昔に解散した、葵の御紋の?」「いま、小泉八雲って言ったか⁉」「おい待てよ、妖怪猟兵が来たって事はだぞ……いまステージに立っているのは……!」
BLAMN!
ハーンはライフル銃で問答無用の射撃を行った!
「Arrgh」
ぱん、と音がし、銃弾はアメイジング・デッドガールの額を貫通した。黒いブーケが弾け、腐った脳漿が飛び散った。一拍遅れて、中から不気味な屍肉蟲(インセクト)や百足の類がワッと溢れ出した! 観客席から悲鳴が上がった!
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