「どうなってやがる! もう次の回の客が入っているんだぞ!」
外で呼び込みをしていた支配人がスケジュールの遅れに気づき、血相を変えてステージ裏の階段を登った。道化師じみた笑顔の化粧とは裏腹に、その表情は殺気立っている。
「プハーッ! くそったれめ!」
支配人はぬるいビールで喉を潤し、空いた瓶を放り捨て、太鼓腹を揺らしながら階段を登っていった。手下のヤクザ者たちは支配人の怒りに触れないよう、目を伏せて左右に道を開けた。
「アメイジング・デッドガールの準備はまだか⁉ これ以上怪力男のショーなんぞで場を持たせられると思っているのか⁉」
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。