妖怪処刑人 小泉ハーン

お菊を古井戸ごと爆破せよ

一八九九年の奇妙に歪んだ日本。文明の光届かぬ開拓地で、妖怪狩りに明け暮れる男がいた。彼の名はラフカディオ・ハーン、またの名を、小泉八雲。
◆伝奇アクションホラー小説『妖怪処刑人 小泉ハーン』シリーズより「ラストハンター」編第4回!

 ドドドッ、ドドドッ、と凄まじい蹄音を打ち鳴らしながら、黒馬は彼のいる廃屋めがけて、砲弾のような勢いで駆け寄った。死人侍の部隊が階段を上りきり、窓際にいるハーンを睨みつけた。

 ハーンは二階の窓枠に掴まってぶら下がると、黒馬が下に来たところを見計らって、手を離し飛び降りた。間一髪、追ってきた死人侍の刀が、窓枠に叩きつけられた。

 窮地を脱したハーンは、見事、その鞍へと着地!

「よくぞ戻った! 奴らに目に物見せてくれようぞ!」

 ブルルルル、と黒馬は鼻を鳴らした。

 そのまま一気に背後の十二人を振り切り、角を曲がって大通りへと突き進まんとする。

 前方に立ちはだかるのは、刀を構えた二体の死人侍。

「犬の餌にしてくれる!」片方の首をハーンのサーベルが切り飛ばし、軍馬の蹄がもう片方の頭を踏み砕いた。頭の無い死体が二つ、ごろりと左右に転がって道を開けた。

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ハーン・ザ・ラストハンター: アメリカン・オタク小説集 (単行本)

ブラッドレー・ボンド,杉 ライカ,本兌 有
筑摩書房
2016-10-26

この連載について

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妖怪処刑人 小泉ハーン

ダイハードテイルズ

時は19世紀末。葵の御紋は未だ死せず。江戸城には無慈悲なる大老井伊直弼。永世中立交易都市たる京都神戸を境に、西部では薩長同盟が勢力を維持。一方、強化アーク灯の光届かぬ荒野には未だ魑魅魍魎が跋扈し、開拓地の人々を脅かし続ける。かくの如き...もっと読む

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