『妊娠小説』斎藤美奈子
の次に読みたい3つの本
『現代語訳 舞姫』森鴎外著、井上靖訳
(筑摩書房)
なんとあの『舞姫』に現代語訳が! 教科書でむかし読んでよくわからなかった人にもおすすめしたい、もう一度読みたい舞姫。「妊娠小説」の中でもっともおもしろいのは、『舞姫』だと私は思う。ちなみに森鴎外はこの『舞姫』を家族の前で朗読していたらしい。この行為がどれだけ「やばい」ことなのか、小説を読んだらわかるはず……。
『源氏物語 (新装版)』紫式部著、高木卓訳
(講談社)
元祖「妊娠小説」といえばやっぱ『源氏物語』だよな……。予想外の妊娠・オン・パレード。というわけで日本の一大長編古典作品『源氏物語』は、存外教育によろしくありません。お子さんが「古典に触れる〜」とか言ったときにうっかり妊娠小説的部分に触れてしまわぬよう、青い鳥文庫バージョンを渡しましょうね!
『現代文学論争』小谷野敦
(筑摩書房)
川端康成の自殺の原因は「少女への失恋」だった、というのは捏造……? たけくらべの最後に主人公の態度が変わるのは、初潮のせい?(そんなアホな)。宮沢賢治がやたら批判されるのはなぜ? 文学者、文学研究者によるケンカ論争シリーズを集めた本。いい大人がこんなに喧嘩ばかりしてる文壇っていったい……。