日本人タウン・スクンビット
バンコクを代表する大通りであり、中心街として知られるスクンビット通り。交通の要でもあるアソーク交差点にはBTS(高架鉄道)と地下鉄の駅がクロスし、新宿や池袋ほどではないけれど、ちょっとしたターミナルになっている。朝晩のラッシュともなれば、駅は人々でごったがえす。のんびりサバーイなタイ人ですら、この「痛勤」にはストレスを感じている。
そのラッシュの中に、たくさんの日本人もまぎれている。駐在員、その奥さんたち、現地採用、観光客、ニート……立場はさまざまだが、行き先はだいぶ違う。
駐在員の住む高級物件
スクンビット通りはまた、バンコク有数の歓楽街でもあり、高級ホテルやレストランの密集地でもある。夜遊びを楽しみたい人はアソークからナナにかけて点在するエッチな施設に向かうだろう。
バンコクの中心部、アソーク交差点。スクンビット通りをBTSが走る
駐在員がたくさん住んでいるのは、アソークからBTSで東隣の駅プロンポン。さらにそのひとつ東、トンロー駅も日本人をはじめ外国人がたくさん住んでいるエリアだ。東西に延びるスクンビット通りから、南北に入り込んでいくソイ(小道)の左右や、その奥に、高級マンションや日本人向けのスーパーマーケット、日本語の通じる病院や歯科医や不動産屋やスーパー銭湯や、子供たちの通う学習塾や幼稚園などなど、生活の基盤となるさまざまな施設がある。
そんなプロンポン、トンローはいわば高級住宅街で、駐在員やその家族が多く住んでいる。物件のほとんどは、コンドミニアムもしくはサービスアパートだ。
コンドミニアムとは、ひと部屋ごとに所有者が違う、いわば分譲マンションだ。建物ではなく、部屋のオーナーと契約して借りることになる。ワンルームから、広大な高級物件までさまざまだ。オーナーは家賃収入や値上がりを目的に、投資として購入しているケースが目立つ。
サービスアパートは、ホテルと一般のアパートの中間だろうか。ホテルのようにベッドメイクや掃除のサービスがありつつ、キッチンなど暮らしに必要な設備も整っている。在住者だけでなく出張者もよく使っている。
どちらも物件の質はピンキリだけど、スクンビットの高級街はとっても豪華なものばかり。3部屋以上のベッドルーム、日本では考えられない、わんこも走り回れる広々とした間取り(200~300平米なんてものも珍しくない)。家具や家電製品、調度品はすべて備えつけだ。
館内の設備も充実している。プールやフィットネスは当たり前。警備は24時間で、ホテルのようなレセプションがあるところも(日本人スタッフや日本語のわかるタイ人スタッフがいる物件もある)。もちろんメーバーン(メイドさん)もいる。コンビニ、子供が遊ぶスペースなどもあり、館内だけで生活が完結するような物件もある。
それだけにお値段も高い。間取りによるが5~10万バーツ(約17~33万円)ほど。日本の会社から手厚い住宅手当がもらえる駐在員や、こちらで商売に成功した人の「城」だ。
とはいえベッドルームが複数あれば、シェアもできる。家賃を分担すれば、現地採用の給料でも超豪華物件に住むことは可能だ。
3万円でもプールとメイドつき?
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