答えになっていない答えが返ってくる
質問をしたとき「答えになっていない答え」が返ってくることがありませんか?
先日の健康診断で、「高血圧」と「脂質代謝異常」の2項目でC判定を出してしまったあなた。
いよいよ本気でダイエットしようと、スリムな同僚に尋ねてみました。
あなた「どうすれば痩せるんだろう?」
同僚 「カロリー消費量より、カロリー摂取量を減らせば痩せるよ」
あなた「あー……なるほどねー……(がっかり)」
同僚の答えは、ある意味「真理」ですが、「痩せたいなら食べるな」と言っているのと同じで、ほとんど禅問答のレベル。
ライザップやタニタの社員食堂で採用されているようなダイエット法を聞き出すには、どうすればよかったのでしょうか?
質問が「舌っ足らず」になっていませんか?
あなたの質問に対して、答えになっていない答えしかくれなかった同僚ですが、ここで「話の嚙み合わない人だ」と、質問をさっさと切り上げてしまうのは間違いです。
そもそも、求めていた答えとズレた答えが返ってきてしまうのは、あなた質問の中に、求める答えにつながるような「前提条件」の説明がなかったから。
つまり、説明が舌っ足らずなんです。
「どうすれば痩せるんですか?」という問いへの答えは、前提条件によっていくらでも変わってきます。
「毎日10㎞走っているのに全然痩せない」という前提条件を聞いていれば、聞かれた人も「この人に運動をすすめても意味はないな」と判断できるでしょう。
さらに「毎晩カツ丼を食べている」という前提条件が加われば、「だったらまず、食事を見直すべきだな。それなら……」などと、あなたが求めていた答えにより近づいていくはずです。
前提条件がきちんと説明されていないときの相手の理解度は、説明が十分になされたときの理解度を100%として、7%まで落ちるというデータがあります。
わずか7%の理解度に対して7%の答えしか返ってこないのは当然で、これが「答えになっていない答え」の正体なんです。
「スッポン方式」で詳しく聞き出す!
前提条件を説明しても、まだ求めているような答えがもらえない場合は、自力で質問を掘り下げていきます。
もっとも使いやすいのは「具体的には……?」というフレーズでしょう。
ありふれたフレーズのように聞こえるかもしれませんが、効果は絶大。
というのも「具体的には……?」という問いかけには、相手の話を受け止めて、さらにその先を聞きたいという「肯定感」があるからです。
人はもともと「話したがり」な生き物ですから、相手に肯定されればますます話したくなります。
「どうしても食べすぎちゃうんだよね。具体的にどうすれば、食べる量を減らす習慣をつけることができるのか、いいアイデアはないかな?」
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