第4回】 オフィス市況がついに底打ち。新築需要で大氷河期から反転

バブルに踊ったツケで大氷河期が到来していた東京のオフィス市況は震災後の耐震需要で反転の兆しが出てきた。
 バブルに踊ったツケで大氷河期が到来していた東京のオフィス市況は震災後の耐震需要で反転の兆しが出てきた。「競合相手にフリーレント(賃料の支払い免除)12カ月などを提示されて、何度もテナントを引き抜かれそうになった。ここ2~3年はひどかった」。不動産会社でテナントを誘致するリーシングの担当者はどん底だった当時をそう振り返る。2008年秋のリーマンショック後、日本の不動産市場は大氷河期に突入した。

バブルに踊ったツケで
大量供給が発生

 中でもオフィスビル市況を表す空室率が急上昇した。米不動産サービス大手のCBREによると、東京で好立地、築浅、大規模というスペックの高いハイグレードビルの空室率は、リーマンショック前に1%未満だったのが、12年には10%を超えるまでに悪化した。反比例するように、賃料相場は坪5万円をつけていたのが3万円以下にまで下落、まさに市場が“氷結”した格好だ。

 市況悪化の背景には、需要の落ち込みだけではなく、オフィスビルの供給過剰があった。リーマンショック以前、国内外の不動産プレーヤーたちは1000億円単位の巨費を投じて東京都内の土地を買いまくり、不動産のミニバブルの様相を呈していた。07年6月に東京建物がJR中野駅前の警察大学校跡地3.5万平方メートルを1437億円で取得。同年の秋には、三菱地所が中心となって、東新宿の日本テレビゴルフガーデン跡地2.6万平方メートルを2300億円で取得した。

 後に多額の評価損を計上することにもなったのだが、こうしてバブル期に仕込まれた大型用地が4~5年の歳月を経て開発され、11年から12年にかけて大量竣工することとなった。供給過剰が指摘された“オフィス2012年問題”の発生である(下図参照)。

 12年の東京23区のオフィス供給面積は181万平方メートル。過去25年間の平均は、約100万平方メートルであるから、その1.8倍ほどである(森ビル調査)。

 なお、前回のオフィス大量供給は、03年の216万平方メートル、さらにその前は1994年の183万平方メートルである。みずほ証券の石澤卓志・チーフ不動産アナリストは、「景気循環により用地の仕入れと供給で似たような現象が繰り返され、オフィスは9年サイクルで大量供給の波が来る」と解説する。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

週刊ダイヤモンド

この連載について

初回を読む
不動産マネー動く 【1】~高まる不動産上昇期待

週刊ダイヤモンド

世界が債券から株式へのグレート・ローテーション(大転換)に揺れている。株式へと大移動した投資マネーが次に狙うのは、不動産市場とみられる。都心のオフィス市況は底を打ち、反転の兆しが出てきた。J-REIT(不動産投資信託)も活況だ。ニッポ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません