日本人の多くは世界に広がっている格差の実態をよく理解していません。日本の中ばかりを見ているからです。以下は新作書籍「バカ格差」の抜粋ですが、日本人が理解していないお金の格差について考えてみましょう。
▼36億人分の富が62人の富豪に集中
イギリスの非営利団体であるオックスファムは、2016年に、世界の富豪上位62人が持つ資産が、世界の人口のうち経済的に恵まれない下位半分、なんと約36億人分の資産総額に等しいと発表しました。
上位62人は、5年前には388人だったので、短期間でより少数に富が集中したということです。2010~15年の間に富裕層の富は44%増大し、カナダのGDPに匹敵する金額になってしまいました。
マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツの純資産は推定792億ドルで、ベラルーシとスリランカのGDPを合わせた額より多く、メキシコの実業家カルロス・スリムの純資産は、レバノンとウルグアイのGDPを合わせたより多い771億ドルです。
一方で、同時期に下位50%の人々の資産は41%も減っています。
なぜここまで富裕層の富が爆発的に増えているのでしょうか。