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美女入門Part16『美女は天下の回りもの』
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人気のドラマ「ラブ・ジェネレーション」を見ていてふと思った。
「キムタクって、テツオに似ている……」
もちろんキムタクよりも顔はかなり落ちるし、年もずっと上だ。が、ぶっきらぼうな喋り方、口の悪さが本当にそっくりなのである。“並レベル”の男にあれをやられると、女はむっとするが、ハンサムな男だとぐにゃりとなる。テツオもそれをよく知っている喋り方なんですね。
私はさっそく電話をかけた。
「あのね、あんたってキムタクに似てるかも」
「おう、やっと気づいてくれたか」
その言い方も実に図々しい。
「オレも彼には、常々シンパシイを感じてたんだけど、やっぱり似ているせいだろうな」
だと。
ところで話は全く変わるようであるが、私は今日とても楽しいところへ行ってきた。
パーソナル・ヘアメイクというのだろうか、プロの人が化粧をしてくれ、ついでに写真を撮ってくれるのだ。そもそも雑誌に出たりする時、私の立場は微妙である。アンアンのようなファッション雑誌の場合、
「ヘアメイクの人をつけますから」
と必ず言ってくれるのであるが、普通の雑誌の対談だと何も言ってくれない。芸能人ではないからと、何の配慮もないのである。相手の女優さんなどは、対談場所にヘアメイクの人からスタイリストまで連れてきて一分の隙もない。女優さんという立場上、あたり前のことなのであるが、私としてはやっぱり不利に不利が重なる。
「あんたさあ、同じ土俵に立ってるとは、誰も思ってないんだからいいじゃん」
テツオは言うが、写真が出来上がったりすると、自分が本当に可哀想になってくるの。
先日は某週刊誌で、黒木瞳さんと対談した。あちらはすごい小顔の中に、大きな目と小さな口が配置されている。すっごく綺麗。
私だけなら「個性的」とか言ってくれる人もいる。が、二人並ぶとその差はあまりにもはっきりと出る。よくあることであるが、顔の大きさが違うから遠近感がいつもより狂って、私だけが三メートル前に座っているようなのだ。
ひどい。悲しい。私はどうしたらいいんだろうか……。