皆さんは、買い物に行く前には、何を買うのか、スマホとか紙でリストを作りますか? ぼくはたまに買い物リストを作ることがあります。でも書いた紙を忘れて出かけることが少なくありません。
「意味ないじゃん!」と思うかもしれません。でも過去の研究によると、買い物リストを作る方が、作らない方よりも、買い忘れが少ないそうです。さらに言うと、家族など誰か別の人が作った買い物リストを渡されたときより、自分で作った方が、買い忘れが少ないそうです。
そうなんです。たとえ買い物リストを忘れたとしても、買い物リストを作るという作業をすることで、何を買うべきなのか、という記憶が残りやすいのです。
話を変えましょう。皆さんは、お店の棚を見ているときに「あっ、これ買わなきゃと思っていたんだ」と思い出すことがありませんか? 例えば、ワサビの売り場で、「ワサビを使い切ったので買わなきゃ」と思っていたことを思い出すといった感じです。電球とか電池とかもそうですね。
なんで買い物リストとワサビの話をするのでしょうか? それは今日のトピックである記憶に関わるからです。買い物リストや売り場の棚は、正確に言うと外部記憶と言います。外部記憶っていう言い方、少し変だと思いませんか? 記憶はアタマの「内部」にあるものですよね。それなのに「外部」にあるってどういうことでしょうか?
買い物リストは、何を買うべきなのかという情報を、アタマではなく、紙なりスマホに保存することで、お店でもれなく思い出させることが可能です。また売り場の棚は、買い忘れたモノについての記憶を喚起してくれます。記憶がまさに外部にあるのです。
外部記憶はマーケティングにどのように関わるのでしょうか? それぞれについて考えてみましょう。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。