必要以上に自分の脳みそを消耗させない

成功している人には共通点があります。それは「自分をよく知っている」ということ。どれくらい稼いで、どんな人と付き合い、どんな生活を送ることが自分にとって幸せなのか。それがわかれば、その幸福に近づくための行動を習慣化できます。ブロガー・作家のはあちゅうさんが、自分をよく知って夢をかなえる方法を解説します。第5回は、「夢をかなえることだけに集中する方法」についてです。

前回まで、自分で自分に取材をし続けることの大切さ、自分の意見をつくるためのネタのストック法、自分に取材した結果をもとに夢をかなえていく方法などをお伝えしてきました。ここからは、少し視点を変えて、「夢をかなえることだけに集中する方法」についてお届けしていきます。

苦手なことは、専門家に任せる

私は、自分の夢をかなえることに集中したいので、自分が苦手なことには時間と労力を割きたくないと考えています。たとえば、経理関係のこと。私は昔から数字がものすごく苦手でした。苦手などというかわいいものではなくて、もはやアレルギーといっても過言ではありません。数字が並んだものを見ると具合が悪くなるし、資料がエクセルシートで送られてくるだけで吐きそうです。自慢できることではありませんが、学生時代、数学の偏差値はずば抜けて低かったし、暗算に関しては2ケタでも心配なので、割り勘するときも誰か得意な人が計算してくれるまでは地蔵のごとく微動だにしません。

そんな私が、会社員をやめてフリーランスになったとき、自分の会社の数字的なあれこれに責任を持とうと思っても、絶対に無理だということは最初からわかっていました。そこで、自分がそれを理解して判断するという時間と手間を、お金を払って他の人に外注することにしたのです。
具体的には、お金についてのことはすべて税理士さんに任せることにしました。税理士さんは会社を辞めるタイミングで友人に紹介してもらいました。その際、私の場合は個人事業主になるよりも法人化したほうがいいとアドバイスを受けたので、法人登記も印鑑作成もすべて手数料を支払って税理士さんに任せ、会社ができるまでの1週間は家族旅行に行っていました。
自分で一からすべて手続きをするほうが安く済みそうだったけれど、そのために苦労していろいろ調べてあっちこっち走り回るよりは、多少のお金を払っても経験のある専門家に任せたほうが間違いもなくていいだろうと判断したのです。

結果、海外で遊んで帰ってきたらすべての書類が整い、法人用の印鑑が家に届いていました。それを持って銀行口座の開設に行ったら、何の知識のない私でも、法人としてのスタートを切ることができたんです。法人から毎月個人(自分)に振り込むお給料の額なども、すべて税理士さんのアドバイス通りに設定しています。会社の設立から運営まで税理士さんに言われたことをすべて実行に移しただけで、自分の意志や脳みそは一切使っていません。だから、起業したい人に「起業の方法を教えてほしい」と言われたときに言えることはただ一つ「税理士を見つけるといいよ」です。

考えてもしょうがないことに、考える時間を割かない

税理士さんには、経理関係のことでは余計な選択肢を出さないでほしいとお願いしています。聞いてもよくわからないからです。たまに気を遣ってくれて「AプランとBプラン、どっちにしますか?」と複数のプランを持ってきてくれた場合は「どっちがいいと思いますか?」と逆に質問をお返ししています。
そして、税理士さんがよりいいと思うほうを無理やり選んでもらって「じゃ、それでお願いします」とだけ言います。節税のために生命保険に入ったほうがいいと言われたので入りましたが、正直それでどれほど得しているかよくわかりません。とりあえず、請求書が来たら私はただ払うだけです。騙されているとしても、騙されていることにすら気づかない幸せなカモです。税理士さんは熱心でとてもいい人なのでそんなことはないと思いますが。
税金の額も「もっと節税できたのでは?」などと調べ始めて自分で一から計算し始めたら、税理士さんを雇っている意味がないので、大雑把な理解のみで、請求された額をとりあえず支払うというスタイルです。税金は全国民の中で私だけが不当に払わされているというわけでもなくて、みんな同じように支払っているのだから、日本に住む人間の義務だと思ってあまり悪あがきはしない方針です。節税についても詳しくないので、どこをどうがんばればいいのかわからず、でも、好きなことでもっと稼ぐ方法のほうが考えていて楽しいので、節約よりも稼ぐことをがんばろうと思っています。

確定拠出年金と中小企業共済も、税理士さんに申し込んだほうがいいと言われたので、面倒だったけれど入りました。それでいくら得しているのかは正直よくわかりません。多少損をしたとしても、やってしまったことに対しては後悔しかできないのだから「あー損した……」とクヨクヨしないために、手を出してしまったことに関してはあまり考えないようにしています。
逆に得をしていたとしても、一時の得がその後損に変わることもあるだろうし、結果って未来になってみないと、もっというと人生が終わるまでもっというと人生が終わるまで、わからないんですよね。だから考えてもしょうがないことに、時間を割きたくないのです。その他の自分の得意なことに自分のパワーを注いだほうが私は気持ちよい毎日を送れるので、外注できるものは外注する、というのが性に合っています(確定拠出年金と中小企業共済に関しては「入ったほうがいいよ」と周りの人がみんな賛成派なので、特に心配はしていませんが)。

また、私は運転免許を持っていません。これも苦手なことを徹底的に避けた結果です。一度は自動車教習所に通ったのですが、試験走行してみて「これは自分には合わない」と本能で悟ったので、授業料をすべて支払った状態で逃走しました。もったいないといえばもったいないのですが、嫌々通うよりは、あきらめるほうが、人生の有効利用だと思ったのです。そしてひそかに「タクシーで暮らせる生活を目指そう……」と決断しました。教習所に払った受講料は、その決断のためのお金だったと思うことにしています。とにかく、できないことは人生からどんどん追い出したいと思っています。

嫌なことから逃げるのは意気地がないようで嫌いですが、試したうえで逃げたくなったことは、単純に自分に合わないことだと思うのです。都合よく聞こえるかもしれませんが、食べ物の好き嫌いと同じだと考えています。牡蛎が好きな人は多いと思いますが、私は昔から苦手だったので一切食べられません。嫌いだと言っているのに嫌いだと言っているのに無理やり食べさせようとしてくる人のことを、全員心の底から恨んでいます。体にいいと言われる豆乳も私はアレルギーなので、飲めません。「体質的にダメ」は食べ物以外にだってあるはずだと思うのです。私の場合は、数字の処理と車の運転が体質的に無理です。人間的に致命的な欠陥ではなくて、ただの体質です。

苦手なことに時間と労力を使いたくないのと同様、無駄な打ち合わせも避けるようにしています。

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はあちゅう

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コメント

Com1151Nariagri 時間は有限。損切りしないとですね。 1年以上前 replyretweetfavorite

akio00o 試したうえで逃げたくなったことは、単純に自分に合わないことだと思うのです。都合よく聞こえるかもしれませんが、食べ物の好き嫌いと同じだと考えています。 なるほどすぎる。 https://t.co/Z7RHIgD3rJ 2年以上前 replyretweetfavorite

marekingu #スマートニュース 2年以上前 replyretweetfavorite

manchanbuhibuhi この人いつも気に食わんのだが今回は大変素晴らしい。「起業したい人に「起業の方法を教えて… https://t.co/oI9RspnnGl 2年以上前 replyretweetfavorite