新しい働き方と生き方
『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)
恋人探しは適職探しと同じ
男と女が生まれつきちがっているとしたら、自分のことを「わかってもらう」とか、相手のことを「わかる」というのは、ぜったいに無理とはいわないものの、ものすごくむずかしいでしょう。
「愛というのは、好きなひととわかりあうことだ」と思っていると、そのうちうまくいかなくなります。
あなたから見て、彼氏はときどき理解できないことをいったりやったりします。そして彼氏も、あなたに対して同じことを思っています。「なんでわかってくれないの」と怒っても、彼氏はぽかんとした顔をするだけです。
でもこれは、「どうせうまくいかないから、あきらめたほうがいい」ということではありません。愛し合うというのは、お互いにわりあえないという前提で、それでもわかりあおうとすることなのでしょう。
そうはいっても、相性というのはやっぱりあります。「長くつき合える」相手を、どうやって見つければいいのでしょうか。
ここでがっかりするかもしれませんが、ドラマやライトノベルで描かれるような「運命の恋」はたいていうまくいきません。
アメリカの研究ですが、たくさんのカップルを調べると、「旅先で出会って恋に落ちた」ドラマチックなカップルは、高い確率で破綻していました。だったらどういうカップルがうまくいくかというと、「親や友だちに紹介された」ケースです。
これは、適職を探すのと同じ話です。そのポイントは、「自分では自分のことはわからない」でした。適職(天職)というのは、まわりのひとたちが「スゴいね」とか「君がいてくれて助かったよ」とほめてくれる仕事で、だからこそ好きになるのです。
恋愛もそれと同じで、あなたひとりが「運命のひとと出会った」と盛り上がっていても、まわりのみんなは「なんであんなダメ男に引っかかったの?」と思っているかもしれません。そしてほとんど場合、友人たちの評価のほうが正しいのです。
なぜ紹介がうまくいくかは、次のように説明することもできます。
偶然出会った男性が自分にぴったりの可能性は、たまたま買った宝くじが当たるようなものです。それに対して友だちの紹介は、「あのふたり、なんかお似合いだよね」とか、「オレの友だち、君の親友にぴったりだと思うんだけど」などという感じで、周囲がそれとなく勧めたり、出会いの場を用意したりします。この場合は、うまくいきそうな組み合わせを選んでいるのですから、当たりくじがたくさん入っているようなものなのです。——とはいえ、「かならず当たる」わけではありませんが。
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