前回のコラムでは、「ジョブ型雇用」のキモになるのはジョブディスクリプション(JD: 職務記述書)だと説明しました。さてこのJDでありますが、日本で何年か前から大きな問題になっている「同職種同一賃金」にも関わってきます。イギリスも大陸欧州も、基本的に「同職種同一賃金」です。同じ組織の中で、同じような仕事をしている人がいる場合、雇用形態に関わらず、同じ賃金ではないと、会社側は働く人に訴えられてしまいます。欧州では働く人は「働いてやってるぞ!」という意識なので、会社を訴えて当たり前であります。いいですか、重要なことなので繰り返します。「訴えて当たり前」です。
大陸欧州だとちょっとおとなしいわけですが、イギリスだと会社のアラを探して訴訟の機会を狙っている人もおります。莫大な賠償金をゲットしてさっさと引退するわけです。特に金融街シティはそういう方がおります。マインドが狩人です。羊飼いに買われている羊ではないのです。そういう方は、やり手の人事系に強い弁護士と仲良くしております。裁判に勝てば弁護士さんも儲かりますからね。顔では笑っていても、「どっかにアラがないかしらね?オホホホ」と獲物を狙っているわけです。雇う方、雇われる方、お互い化かしあいの世界ですから気が抜けません。
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