お金のなくなる日

モノをお金でやり取りする“資本主義”から
コトを時間でやり取りする“時間主義”
モノを信用で直接やり取りする“記帳主義”
最後にコトを信用でやり取りする“信用主義”へ ー。
今、お金を中心に大きな転換が起こっています。
お金はこれからどうなるのか?
その歴史と仕組み、変化、未来まですっきり解説!
山口揚平著「新しい時代のお金の教科書」を特別公開します。

 お金の進化の行き着く先、三つの方向性

 ここまでは過去から現在までのお金の話をしてきました。

 ここから先は未来のお金について話しましょう。

 下の図を御覧ください。第二章で出てきた縦軸に信用(信用の外部化の度合い)、横軸に汎用(地域の広がり)をとった貨幣の発展の歴史を表した図です。



 原始共和制から個人間の取引の記帳を経て、貨幣の発生(金等)、そして中央銀行の成立、現在では各国中央銀行(国家)の発行する法定通貨と仮想通貨が乱立する状況までの推移を矢印で示しました。

 それではこれからのお金はどうなるのでしょうか?

 時間軸で表すと次の図のようになります。横軸は年号が入っています。縦軸はその時代のお金の形のシェアを表しています。この図を見るとわかるように、短期的には仮想通貨(無国籍通貨)が発展するでしょう。しかし、2020年から2030年くらいまでがピークかもしれません。その後は、時間通貨の時代がやってきます。この時代を時間主義経済といいます。そして時を同じくして記帳主義時代というものが来るでしょう。おそらく21世紀の半ばから後半にかけてはこの時間通貨と記帳経済が中心となると想定されます。そしてやがて信用主義時代という形で中間媒介としてのお金を介さない経済ができてくると思われます。もちろん、途中には特定の地域やコミュニティなどで使える独自の地域通貨も増えてゆきます。ただこちらはメインにはなりません。


 メインは、既存の資本主義経済、そして時間主義経済、記帳主義経済、そして最後に信用主義経済への流れです。それぞれ簡単に説明しましょう。


仮想通貨(無国籍通貨)の短期的隆盛

 今世紀主流になるのはビットコインを中心とした無国籍通貨であるというように思われていますが、私は懐疑的です。各国の中央銀行が今のようにお金を刷り続けていればいずれまたその金融政策は失敗を繰り返すでしょう。その時には代替手段である仮想通貨に注目が集まります。しかしその注目は国家の凋落と信用管理の失敗に呼応した相対的なパワーであり本質的な意味で仮想通貨の信用を前提としたものではありません。なぜなら仮想通貨は、連載の第5回めで述べた貨幣の二大要素の一つである信用の担保が難しいからです。これまでの法定通貨を発行していた国家は世界に約190しかありません。GDPや徴税権の下支えもありました。したがって発行できる通貨も限度がありました。一方で無国籍通貨はビットコイン(Bitcoin)以外にもすでに350くらいは存在していると言われます。乱立しやがてそのほとんどすべてが淘汰されてゆくでしょう。

 お金は数字で表わされ、前述したように数字自体は人の意識を吸着する力がとても強い言語ですから、一時的には、仮想通貨の乱高下する価格という数字に人々の関心が集まりバブルが起こることは容易に想定されます。しかし過去のバブルが常にそうであったようにいつかは破綻します。


お金の進化の三つの方向

 仮想通貨のバブル現象とその崩壊の後、お金は一体どのような変遷をたどるでしょうか?

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山口揚平

モノをお金でやり取りする“資本主義”から コトを時間でやり取りする“時間主義” モノを信用で直接やり取りする“記帳主義” 最後にコトを信用でやり取りする“信用主義”へ —。 今、お金を中心に大きな転換が起こってい...もっと読む

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