第11回】[1 MECE]モレなくダブりなく 論理的思考の基本のキ

ロジカルシンキングのあらゆる基礎を成すといっても過言ではない存在が「モレなくダブりなく」を意味する「MECE」という考え方だ。英語の「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字を取った略称で呼ばれ、もともとは戦略コンサルティングファームのマッキンゼーの社内用語として使われていた。

 ロジカルシンキングのあらゆる基礎を成すといっても過言ではない存在が「モレなくダブりなく」を意味する「MECE」という考え方だ。英語の「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字を取った略称で呼ばれ、もともとは戦略コンサルティングファームのマッキンゼーの社内用語として使われていた。

 MECEはある対象全体を幾つかの要素に切り分けた際、漏れや重複がない状態を指す。論理的思考を進める上での必須コンセプトであり、コンサルティング会社のみならず、事業会社の日常業務レベルでも身に付けておくべきスキルといえる。また、MECEはロジックツリーやその他多くのフレームワークを理解、活用する上での前提知識となる意味でも重要な位置を占める。

 そんなMECEの概念図を示したのが下図の上段だ。一番左の長方形は、枠内に要素が「モレなくダブりなく」入っている理想の姿。それに対し、他の三つはモレ・ダブりのいずれか、または両方が生じており、避けるべき状態だ。

 上図の中段を見てほしい。ある問題(イシュー)を解決する際は、幾つかのより小さなイシューに分解する必要がある。その際、MECEを「モレなく」と「ダブりなく」に分けて考えると、「モレなく」が抜けた方が致命的である点は押さえておきたい。

 ダブりは後から情報を整理すれば取り除けるが、分解した要素にモレがあったら、そこから先どんなに細かく分析を進めても、要素に抜けのあるままで論理が進行してしまうからだ。もしも事業戦略の策定時にリスク要因の見逃しがあったりしたら、取り返しがつかないことにもなりかねない。

 極めて単純なMECEの具体例としては、人を「男性」「女性」に分けるような方法が挙げられる。ただし最近では、男女のカテゴリーに分類できない性的少数者(LGBT)を含めないと全体の人口動態を把握できないといわれる。

 この例から、MECEは一度考えれば不変なのではなく、時代や環境変化を考慮しながら、実態に即した使い方を考える必要があると分かる。あくまで発想の漏れや重複を防ぐためのツールであり、MECEを自己目的化するような使い方はしないように心掛けたい。

 また自分ではMECEを満たしているつもりでも、漏れや重複が生じてしまっているケースがある。上図の下段はそんな三つのパターンを示したものだ。

 (1)は「モレなく」を意識するあまり、逃げ道として「その他」を多用するケース。例えば、ある国の人口が減った原因を考えるとき、図のように「死ぬ割合が増えた」と「その他」に分けてしまう。「その他」に残り全てが含まれる意味では、MECEだといえなくもないが、「発想のモレを防ぐ」本来の目的を果たしてはいない。

 (2)は(1)と同じ現象について直接の理由として「天災が増えた」と「人災が増えた」に分けている。だが、これは「人口が減った」→「減る割合が増えた」→「死亡者が増えた」→「災害による死亡者が増えた」と幾つか段階を踏んで初めて、「天災が増えた」と「人災が増えた」に分解すべき例となる。

 (3)では人口減の原因について「災害が増えた」「災害が増えていない」と分類している。しかし、前者は理由になり得ても、後者は当てはまらない。モレでもダブりでもない、本来含まれない余分な情報が出ているという意味で、これもMECEではないことになる。

※ 『週刊ダイヤモンド』2017年8月5日号より転載


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