第10回】フレームワークの有効活用に向けて 論理的思考力の基本を学ぶ

ビジネス界で長年、活用されてきた思考ツールがフレームワークだ。知の先人たちが発明したそれらを使わぬ手はない。論理的思考の基礎を踏み台として用いれば、効果は何倍にもなる。

 球児が躍る夏──。野球の守備練習では幾度となくノックを繰り返すことで、捕球力を鍛える。このパートでは、一挙に30個のフレームワークをノックの連打を浴びるように学び、何度も繰り返し読むことによって、使い方を徹底的に身につけたい。

 フレームワークとは、問題解決などをサポートする際の思考の枠組みのことだ。これをたくさん頭に入れておくことによって、さまざまな情報を処理・判断し、意思決定する際に、その場に応じて最適な道具を出し入れできる。さらに「企業の実例で考えよう! フレームワーク演習問題」からは演習問題で理解を深められる構成となっている。

 ただし、やみくもに数をこなすだけでは、効果的にスキルを会得するのは難しい。そもそもなぜノックを受ける(フレームワークを学ぶ)のか、「練習のための練習」にならないよう、目的意識をはっきりさせた上で訓練に臨むことが現場で使えるスキルを得るコツだ。

 そんなノックの“準備体操”として、論理的思考の基本的な姿勢を明確にした上で、訓練の段階に移ってもらえるようにしたい。フレームワークは思考展開を支援する道具であり、ベースの足腰(論理的思考力)の基盤があってこそ、ツールも生きることになるからだ。

 ではロジカルに考えるとは、どういうことだろうか。グロービスの岡重文主席研究員は「つまるところ、納得感のある根拠を主張に添えられるか」に集約されるとの見方を示す。

 その論理的思考(批判的思考ともいう)の実践に向けては、次の三つの基本姿勢が重要になる(下図参照)。

 先述したように、まずは「目的は何かを常に意識する」ことだ。何のための思考かを明確にし、イシューと呼ばれる論点をしっかり押さえることが重要になる。

 前出の岡氏は、グロービスのクラス受講者の中から「論理的思考力で上司を論破して打ち負かしたい」との声を聞くことがあるそうだが、それは本来の趣旨とは異なるもの。あくまで論理的思考は、自分が伝えたいことを相手に分かってもらうために活用するものだからだ。

 二つ目は「自他に思考のクセがあることを前提に考える」という姿勢だ。人は誰しも、考えるときに、個人の価値観や経験などから暗黙の前提を置いてモノを捉えがちである。

 その点を認識した上で対話や問題解決に臨まないと、いつまでも議論がかみ合わなかったり、狭い範囲で解を求めてしまったりすることになりかねない。論理的思考はもちろん、他者の批判や自らの正当化のために使うものでもない。

 最後に、何らかの結論に達したと思っても、そこで思考を止めずに問い続ける、ということだ。「なぜ?」「だから何?」「本当に?」という問いを自らに投げ掛けることによって、今まで見えなかった問題が見つかり、考え続ける力を身に付けることにもつながる。

 このような基本姿勢を前提とした上でフレームワークを活用すれば、強力なサポートツールとすることが期待できる。

 しかも、フレームワークの誕生経緯はそれぞれだが、経営学者や世界的なコンサルティングファームなど、知力に優れた偉人たちが生み出し、歴史の風雪にも耐えてきたものだ。

 いわば「知の巨人」たちの肩に乗ることで、ビジネス上のさまざまな問題について考えたり、作業したりする際の効率が上がるのは間違いない。

 さらに、交渉相手の説得やプレゼンテーションなどにも、フレームワークから学んだ内容は大いに役立つといえる。

 下図のように、本パートでは四つの項目に分けて、30個の「使える」フレームワークを一挙に学べるようにした。いずれも一目でコンセプトが分かるように、ポイントを丁寧に解説。「企業の実例で考えよう! フレームワーク演習問題」の演習問題を解くことでさらに理解を深められる構造となっている。

その道の大家が著書で提唱した場合は原典を引用しつつ、分かりやすさに定評のある解説書から図表をピックアップした。フレームワークについてさらに学びたい人は、引用元の著作を読めば、一段と世界を広げられるだろう。

※ 『週刊ダイヤモンド』2017年8月5日号より転載


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