未来はそんなに悪いものじゃないと、SMAPが歌っていたように。

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、43回目。アイドルグループ・SMAPの日常が更新を止める2017年が、"わたし"にも訪れる――。

日常の続き

 2017年。

 今まで考えたこともなかったSMAPのいない一年は、それでもごく普通に、その日の出をもって始まった。

 そして実際に身を投じてみても、思ったほど決定的な何かが変わったわけではない。

 しいていえばスマスマのある月曜に感じていた1週間の区切りが番組終了とともになくなったくらいで、SMAPではなくなっても、中居正広や香取慎吾はバラエティに、木村拓哉や稲垣吾郎や草彅剛はドラマに出演を続けていたし、それを見る自分の気持ちも不思議なほど、それまでと変わっていなかった。

 変わらぬ日々の中で、時々SMAP最後の言葉を思い出していた。

 それは1月に閉鎖されることが決まったSMAPの公式ホームページで、5人がSMAPのメンバーとして最後に寄せていたメッセージである。

 後に一般向けにも内容は公開されたが、ファンクラブ会員だけは、5人の直筆のものを読むことができた。


 中居正広

「お世話になりました…だね。

〝さよなら〟ですね…。

 それじゃまたっ!だね…。」

 木村拓哉

「みんなが居てくれたから、求めて待ってくれてたから、やって来られた気がします。

 これからも、宜しくお願いします。」

 稲垣吾郎

「今までSMAPを支え大切に想って下さり本当にありがとうございました。

 僕にとって今までもこれからも一番大切なものは、皆さまです。感謝を込めて」

 草彅剛

「今まで応援ありがとうございました。ツマラナイ時も、楽しい時も、皆さんと一緒です。

 これからも、よろしくお願いします。」

 香取慎吾

「SMAPを応援してくれた皆様を

 SMAPを愛してます

 ありがとう」


 彼らもまた、去年のファンと同じように、その文字に感謝の思いを込めていた。

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この連載について

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SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

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コメント

shizushi ものすごい郷愁にかられ、また泣きそうになる。 2年弱前 replyretweetfavorite

smarashic https://t.co/jiJyU1hGHM 2年弱前 replyretweetfavorite