ツンデレの「ツン」と「デレ」のタイミングと配分はどうすべきか問題

いつデレになるのか分からないけれども、いつかデレになってくれるかもしれない、という予測可能性における予測不可能性があるからこそ、つかず離れずのお店がちょうどよい……。今回は、ツンデレ者と被ツンデレ者の関係について考えることから、マーケティングに潜むツンデレ効果を考えていきます。

皆さんは、ツンデレしたり、ツンデレされたりしたことはありますか? Wikipediaによれば、ツンデレとは、「特定の人間関係において敵対的な態度(ツンツン)と過度に好意的な態度(デレデレ)の二つの性質を持つ様子、又はそうした人物」のことを指すそうです。

考えてみますと、ツンデレの本質は、いつデレになるのか分からないが、いつかデレになってくれるかもしれない、という予測可能性における予測不可能性にありそうです。ツンされている状況は、心地よいものではありません(ツン自体が嬉しいという人もいるでしょうが、話を単純化するために、ここではとりあえずは考えないようにします)。しかしこの状態が未来永劫続くのではなく、いつかデレという嬉しい状況が訪れるであろう、という期待があるがゆえに、この心地よくない状況を耐えることができるのです。

これはツンデレを実行する立場(以下、ツンデレ者)からしても大事なポイントです。基本、ツンしておき、時々デレというご褒美を与えることで、ツンデレされている者(以下、被ツンデレ者)をコントロールすることが容易だからです。これは非常に効率的です。被ツンデレ者が、ツンデレ者にとって良いことをしたら「必ず」デレというご褒美を与えなくても良いからです。つまり10の良いことに対して、10のデレを与えるのではなく、散発的に2、3のデレを与えたら良いのです。

ツンデレは、強化の一種であると言えます。特定の行動を学習することが強化であることを、前回、学びました。ツンデレは、ツンデレ者にとって嬉しい行動を、被ツンデレ者がしてくれると、デレというご褒美を与える強化プロセスなのです。このプロセスを繰り返すことで、被ツンデレ者は、自分に何が期待されているのかを学んでいくのです。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

博報堂ケトル・嶋浩一郎さんとの共著もおすすめです!

この連載について

初回を読む
今さら聞けないマーケティングの基本の話

松井剛

何気なく使っているマーケティング用語。そのことばの裏には、あなたのビジネス、さらには世の中の見方を変える新たな視点が隠れています。一橋大学経営管理研究科・松井教授が、キーワードをゆったりと、しかし的確に解説するこの連載。他人の成功体験...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

ikb 支配する構造、とおなじだなあ。 そう… https://t.co/D2CAvRglJK 4ヶ月前 replyretweetfavorite