純粋なアスリートと蠢く思惑。サスペンス要素もたっぷり。

【小説の展開】アンは日本代表チーム「スマイルジャパン」入部テストで帰国。アンの祖父、伊織は「謎な人物」。その日常はいかに。元三菱財団理事を実際に取材。物語に謎の黒幕として登場していただきます。(作中ではミツホシ=架空の企業としています)

小説「スマイル」第2章

4.私は体よく騙されたのだ。あの怪しげな笑顔こそ疑うべきだった。
(アンの祖父、六瓢伊織のひとりごと)

 この私がこれほど落ち着かんというのは、よほどのことなのだ。
 ミツホシ財団の常務理事を退任し、残りの人生を趣味三昧ですごそうと思っていたのに、
「まだまだお力を借りねばなりません」
 ミツホシグループの会長であるイワサキ君が言ったものだから役員連中があわててしまい、相談役の肩書きで残ることになった。
 まあいいだろう。
 相談役なんぞ、たまに出る役員会でお茶を濁すようなことを垂れておけば良いのだ。
 捨て扶持でも飲み代くらいにはなる。
 ところが違った。やっていることといえば、昨年も一昨年も、そして引退したはずの今だって手間暇かかる面倒ごとである。
 私は体よく騙されたのだ。
 あの怪しげな笑顔こそ疑うべきだった。

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小説「スマイル」。女子アスリート冒険物語

松宮宏

「スマイルジャパン」に架空の選手「アン」を加えて進む小説。アメリカでアイスホッケーに出会った「アン」はジュニアを経て全米大学選手権で活躍する。日本代表はアンを帰国させるがソチは全敗、アンが所属する事になった社会人チームもリンク閉鎖の危...もっと読む

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コメント

hmatsumiya ホントに強くなったと思う。 https://t.co/G8LPmRJPnu 2年以上前 replyretweetfavorite

hatanosatoshi バナーイラストを描かせていただいた、小説スマイル 最新情報など共にどんどん、更新されていってます! https://t.co/4ftaa1X9Ds 2年以上前 replyretweetfavorite