━終わりに━人生の一番大きな問題を解決するのはお金
「お金持ちになりたい」と思っている人は少なくない。僕も、人一倍強くお金持ちになりたいと思って起業した一人だ。なかには、お金持ちになんてならなくても信用持ちになれば解決するとか、熱中できることを持てば良いという人もいるかもしれないが、だからといって、お金を持たなくて良いという話にはならない。お金があれば、時間が手に入る。お金があれば、自由に生きれる。逆ではないのだ。人間が、もっと幸せになりたい、もっと自信をもって生きたいと考えれば、結局はお金を手に入れなければならないのである。
お金を手に入れる方法はいくつかある。人からもらう。取り上げる。給料を稼ぐ。今なら仮想通貨でお金を作るという方法だってある。
お金を儲けるという行為自体を「品がない」と思う人は多い。でも、お金が十分にあれば自分のやりたいことを実現できるし、それで世界が豊かになるかもしれない。多くの人が「金を稼げ」と言われることに嫌悪感を示す傾向にある。「金を稼げ」と声を大にして言うと、品位を疑われ、何か良からぬことでも企んでいるかのように扱われる。僕は、この間違った考え方にそろそろ終止符を打ちたくて本書を書いた。
本書は起業(スタートアップ)を勧める本だ。15歳の時からお金と真剣に向き合ってきた僕は、一番確実で、一番速くお金を儲ける方法は「起業して会社を売却すること」だと確信している。この「終わりに」から読んでいる人のために誤解のないように断っておくが、起業をしたら確実に金持ちになれるとか、絶対に起業に成功する秘訣があるなんてことは本書では述べていない。もちろんリスクだってある。その、リスクと真正面から向き合い、お金持ちになろうとすることを肯定する試みが本書なのだ。
もちろん、お金だけが富だというつもりもない。家族とか、恋人とか、思い出とかも富である。お金もそうした富の一つだ。 僕は、このお金という富に対して、みなさんにもっと心を開いてもらいたいのだ。
僕はあなたに、もっと欲張りに人生を生きてほしい。家族を大事にしたからといってお金を諦めることにはつながらないし、何かに熱中していたからといって貧しさを肯定する理由にはならない。
もしかすると、あなたは「お金」とか「起業」というテーマを目や耳にしただけで不安にかられ、「自分には無理だ」と思っているかもしれない。高度にテクノロジー化が進んだ今の時代に、起業して売却するなんて難解すぎる。そんなにうまくいくわけがない。そう思って心を閉ざしてしまっているかもしれない。サクッと起業してサクッと倒産するかもしれない。でも、やり直しは何回でも可能なのだ。
「そんな、ゲームみたいにリセットなんてできるわけがない」という人に言っておくが、起業はゲームだ。だからリセットもできる。
そもそも、起業って現実世界のものなのか? よーく考えてみてほしい。
会社って目に見えるか?契約って目に見えるか?お金ってただのデジタルデータじゃないのか?福沢諭吉の顔が描いてある紙に価値があるなんて、それこそ虚構の世界ではないのか?
人間が動物と違うのは、虚構の世界を作り出すのがうまいことにあるらしい。起業とは、ある意味では虚構の世界なのだ。つまり、起業はゲームなのである。お金儲けもゲームだ。だから、「たかがお金」なのだ。古代ローマみたいに、円形闘技場で戦って生き残ったほうに賞金が出るとか、そっちのほうが全然リアルだ。
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